研究課題/領域番号 |
19K19414
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 博貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70775965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 生物学的モニタリング / バイオマーカー / 尿中代謝物 / 有機リン / 殺虫剤 / ガイドライン値 / コリンエステラーゼ / ベンチマークドーズ |
研究実績の概要 |
有機リン系殺虫剤(OP)のプロペタンホス(PPT)を用い、50匹の11週齢雄性Wistarラットを濃度段階別に5群に分け、強制経口投与実験を行った。5日間を1クールとして、2日間の休薬期間を挟み、2クールを実施した(合計12日間投与)。最終投与後に代謝ケージにラットを移し、6時間後・12時間後・24時間後の各時点尿を採集した。尿試料は-80℃で保管した。採尿終了後、ペントバルビタール下に大動脈採血を行い安楽死させ、血液・脳・肝臓をそれぞれ採取した。血液についてはエルマン試薬を用いたVoss and Sachsse (1970)の変法により、解剖後速やかに赤血球および血漿中のコリンエステラーゼ(ChE)活性を測定した。脳は-80℃で保管後、ホモジナイズした試料を用いて同様にChE活性を測定した。保管した尿試料については、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた測定法により(Ueyama et al, 2010)、PPTの尿中代謝物であるジメチルリン酸(DMP)を一部測定し、24時間尿中排泄量を計算した。ChE活性と尿中代謝物量のデータを非線形モデルを用いて解析し、ChE活性が抑制される場合の24時間尿中DMP排泄量を推定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
投与したOPのプロペタンホス使用量が多く、メーカー在庫が足りなくなり追加生産に時間を要したため、コリンエステラーゼ活性の測定までで初年度が終了した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、血漿中のOP代謝酵素であるPON1の活性を測る。得られたデータを尿中代謝物量と突合させ、投与によるPON1活性への影響および、PON1活性と尿中代謝物量の関連について明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用予定の薬剤納品の遅れにより、実験内容の一部が最終年度に持ち越しとなった。そのため、もともと購入を予定していた実験用品および酵素活性の測定キットを最終年度で準備する予定である。
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