研究課題
セレノプロテインPは肝から分泌され、抗酸化作用、すなわち組織保護的作用を有するホルモン様物質であるが、筋肉に作用した場合、運動の効果や運動耐容能を減弱させる働き、すなわち「運動抵抗性」を誘発するとして最近注目が集まっている。本課題は中部地方の某職域の定年退職者において、血清セレノプロテインPを含む代謝関連バイオマーカー測定し、肝脂肪量、身体部位別の体組成、筋力、サルコペニアとの関連を横断的に検討するものである。これらの解析により、セレノプロテインPが身体機能、糖・脂質代謝にかかわる因果的機序への理解を疫学的に深めることを目指している。H31年には、その前年度に実施した退職者健康調査から得た血液を用いて一部のバイオマーカーの測定(血糖値、血中脂質、アディポサイトカイン、血中肝機能指標など)、生活習慣及び栄養調査、肝脂肪量、身体部位別の体組成、筋力、サルコペニア評価のデータ整理を実施し、データベース化を終えた。今年度は、凍結保存している血清サンプルを用いて、セレノプロテインPの測定を進める予定である。
3: やや遅れている
退職者調査は実施済みであるが、そのデータセットの整理に時間がかかり、また、セレノプロテインPの測定系の検討も慎重に行ったため。
セレノプロテインP測定試薬は選定済みで、測定を実施する研究支援者との詳細な打ち合わせを実施してきている。セレノプロテインP測定試薬の調達後、迅速に測定を進めていく。測定後にセレノプロテインP測定値を既存データベースに追加し、統計解析を行う予定である。
セレノプロテインPの測定を今年度に繰り越したため。今年度はセレノプロテインPの測定試薬と関連物品を購入する予定である。
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