研究課題/領域番号 |
19K19419
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 名古屋大学 (2023) 藤田医科大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
李 媛英 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (20701288)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | コロナ / 退職者 / 健康状態 / 精神状態 / 生活習慣 / 飲酒 / うつ / 入院歴 |
研究成果の概要 |
愛知県内某自治体の定年退職者約3000名に、コロナ禍期間中の生活習慣、社会参加度、主観的な心理・健康状態の評価及び病歴に関する質問紙調査を行った。統計解析は二項ロジスティック回帰モデルを用いた。交絡因子としては、性別、年齢、運動量、睡眠時間、喫煙習慣、自身のコロナ感染歴、孤独感、社会参加、現在就労の有無などを考慮した。コロナ禍期間中に飲酒頻度の「増加」群、一度に飲む量の「増加」群、自宅飲酒頻度の「増加」群は該当項目の「変わらない」群と比べ、うつ状態のオッズ比の約2倍であった。また、入院既往歴のある者とそうでない者に比べ、コロナ禍期間中における健康状態の悪化した割合のオッズ比が約2倍であった。
|
自由記述の分野 |
循環器疾患疫学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コロナ禍期間中に、外出の制限や自粛により生活及び医療環境が大きく変化し、高齢者の健康管理が適切に行われてない可能性に注目した。定年退職者において、うつ傾向と飲酒の頻度の増加及び飲酒量の増加が正に相関することが分かった。また、入院既往歴のある者とそうでない者に比べ、コロナ禍期間中における健康状態の悪化の割合が有意に高いことがみられた。本研究課題の結果は、コロナが終わりつつの今現在でも、飲酒やその他の生活習慣に対する適切な指導が必要であること、健康が悪化した者への継続的な医療支援が必要であることが強調され、新たな感染症や危機状況に備え、効果的な公衆衛生政策や医療システムの改善の重要性が示唆された。
|