研究課題
若手研究
本研究では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (BUVSs) の糖・脂質代謝恒常性に対する毒性影響に関する基礎的知見の集積、及びBUVSsと非アルコール性脂肪肝疾患 (NAFLD) の病態機序との因果関係の解明を目的とし、種々の検討を行った。その結果、BUVSsが核内受容体および芳香族炭化水素受容体を介してNAFLDにおける脂質蓄積および線維化を増悪化させる可能性を見出した。
毒性学
本研究成果は日用品等に汎用されるBUVSsの糖・脂質代謝恒常性に対する毒性影響に関する基礎的知見を提供するものである。また、日本におけるNAFLDの罹患率は約30%とされているものの、現在までにNAFLDに対して承認された医薬品はなく、NAFLDの予防及び治療法の確立のためにはその病態機序の解明が急務である。本研究成果は我々が日々曝露されうるNAFLD発症・増悪化リスクの一端を明らかにするものであり、本疾患に対する予防医学的知見の提供が期待できる。