C56BL6系統野生型マウスに対し、睡眠障害負荷専用ケージを用いて、同じ時間帯に3時間だけ睡眠がとれる睡眠障害モデルと、マウスの睡眠確保時間帯を毎日ランダムにし、他の時間帯は睡眠障害負荷を加える生体リズム破綻モデルを設定した。1週間ごとに摂餌量を評価し、また4週間の負荷終了後に摂食中枢の視床下部弓状核と認知記憶中枢の海馬歯状回を中心に、ミクログリア、炎症性サイトカイン(TNFα、IL6)、さらに炎症惹起による神経新生や成熟神経、アミロイドβ沈着への影響を併せて評価した。自発行動及び空間認識能はY迷路試験、短期記憶はバーンズ迷路試験を用いて評価した。 結果、認知行動では生体リズム破綻モデルでは睡眠障害モデルに比べて有意な認知機能の低下を認めていた。一方、摂餌量については生体リズム破綻モデルでは有意に低下していた。これらの違いに対し、免疫染色では視床下部弓状核においてiba1染色による有意な差は認められず、海馬においても同様の結果であった。また、神経新生の指標であるDoublecortinについても海馬では両モデル間で有意な差は認められなかった。
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