研究課題
これまでの国内外における酸化チタンナノ粒子を用いた分散方法では、投与のために水分散から生理緩衝液に置換させると時間経過に伴い沈殿することを明らかにした。すなわち、論文で示されている高分散性は生理緩衝液に置換させた瞬間の結果であり、動物への投与は瞬時に終わるものではないため、投与に要する時間も考慮したナノ粒子の分散安定性の担保が必要不可欠と考える。特に、曝露経路として想定されやすい気管内投与のような水分散では毒性試験が実施できない場合など、生理条件下での分散安定性を確立することが早急の課題として考えられたため、人が曝露しやすいと考えられる高分散状態での気管内投与を模倣したナノ粒子分散技術を確立した。具体的には、バイオコロナの観点から様々なタンパク質と反応させ、その中から両親媒性の分子とコロナを形成させると、生理緩衝液中でも長時間安定する結果を得た。本分散技術を用い、妊娠マウスに酸化チタンナノ粒子を気管内投与すると、曝露した母獣の肺組織でのチタンの分布について、肺胞マクロファージに貪食されている組織像が多く観察されることが明らかとなった。本データは肺でのICP-MSによる定量結果を裏づけるものとなった。また妊娠マウスから産まれたF1世代雄マウスの精子性状解析において、ハイパーアクチベーションに影響を及ぼすことが明らかとなったものの、精子miRNAに関するバイオマーカーは検出されなかった。精子small RNAの構成として、他にもpiRNAなどが存在するため、現在、再解析を進めているところである。一方、F1世代を14ヶ月齢まで長期飼育し、精子性状解析を実施したところ、成獣期で認められるようなハイパーアクチベーションの変化は認められなかった。野生型マウス自体の受精能が加齢により低下しものと推察された。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 3件)
bioRxiv
巻: posted ページ: 1
10.1101/2023.03.06.531276
J Med Diagn Meth
巻: 12 (2) ページ: No. 1000400
Biomedical Research (Tokyo)
巻: 44 ページ: 73~80
10.2220/biomedres.44.73
Biological Pharm Bull
巻: in press ページ: in press
The Journal of Toxicological Sciences
巻: 48 ページ: 57~64
10.2131/jts.48.57
DOHaD研究
巻: 11 ページ: 103~108
10.51067/dohad.11.2_103
Scientific Reports
巻: 12 ページ: 1
10.1038/s41598-022-23695-8
Genes and Environment
巻: 44 ページ: 1
10.1186/s41021-022-00253-2
Particle and Fibre Toxicology
巻: 19 ページ: 1
10.1186/s12989-022-00478-7