研究実績の概要 |
2019年度に開発した2型糖尿病の発症リスクを予測する機械学習モデルに関する論文を国際誌にて出版した。(Ooka et al. BMJ Nutrition, Prevention & Health 2021) 2020年度にはDeep Learningを含む複数の新たなモデルを用いた2型糖尿病発症リスク予測を実施したが、2019年に開発したランダムフォレストやスパースモデリング(Lasso)を用いた機械学習より高い精度のモデル開発を実現する事は出来なかった。これらの結果を踏まえて、最も高い精度を実現していた機械学習モデル(XGBoost)を使用した2型糖尿病の発症予測モデルを他の健康診断項目をアウトカムとしたモデルにも活用することで、16種類の健康診断項目<体重、腹囲、BMI、血圧(収縮期,拡張期)、肝機能(AST,ALT,γ-GTP)、脂質(中性脂肪,LDL/HDLコレステロール)、血糖値(空腹時血糖,HbA1c)、腎機能(クレアチニン,eGFR)、尿酸値>を高精度に予測するモデルを作成することができた。具体的には、2年連続の健康診断結果から1年後、3年後の健康診断結果を予測する機械学習モデルを作成し、平均誤差10%以内の精度で16項目の予測を行う事に成功した。これらの研究結果については現在論文投稿準備中である。 また今後の研究計画としては、今回開発した16項目の健診項目を予測するモデルを実際に健康診断施設の受診者に適用し、予測結果を基に保健指導を実施する事で、実際に受診者の健康増進に繋がるのかどうかを検討するランダム化比較試験の実施を計画している。
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