ウェイトバイアス尺度の日本語版の作成とそれを用いた効果的な減量指導法の開発

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K19438
• 研究機関: 福島県立医科大学
• 研究代表者: 遠藤 翔太 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90778309)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 肥満

研究実績の概要

ウェイドバイアスは、過食などを介して体重増加に結びつくと報告されて以来、肥満対策が十分な効果を挙げられていない原因の1つとして、近年注目されている。
本研究は、保健指導等の場面において医療従事者が肥満者に与えるウェイトバイアスを予防することを通じ、効果的な減量指導法を開発することを目的とした。その実現のために、まずウェイトバイアスに関する日本語版尺度を開発し、本邦におけるウェイトバイアス研究の基盤を整えたのちに、ウェイトバイアスの予防プログラムの開発を目指している。
令和元年度は日本語版尺度の作成を行った。具体的には、複数の英語版ウェイトバイアス尺度の中から、国際的な利用がすすんでいることや、類似尺度との比較試験においてその妥当性の高さが示されていることなどから、肥満者におけるウェイトバイアス尺度の1つを選出した。その後、概念的同等性および意味的同等性についての検証を行い、同尺度が日本語版としても使用可能であることを確認した。さらに1次翻訳を行い、和訳調査票を作成した。なお当該尺度に関しては、既に原著者から日本語版の作成について同意を取得しており、今後の逆翻訳を経た原著者との協議も行うことが出来る見込みである。
なお当初計画においては、医療従事者におけるウェイトバイアス尺度についても日本語版の作成を予定していた。しかし、こちらに関しては原著者との連絡をとることができず、そのため原著者との協議の過程をへることが困難であることと判断した。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では、肥満者におけるウェイトバイアス尺度と、医療従事者におけるウェイトバイアス尺度の開発を予定していた。しかし後者の原著者との連絡がとれず、その連絡等において時間を要してしまった。

今後の研究の推進方策

令和2年度には作成した尺度の信頼性、妥当性の検証を予定している。またウェイトバイアスの予防プログラムに関する文献調査を進め、研究目的の達成を目指す。

次年度使用額が生じた理由

研究計画が当初の想定よりもやや遅れ、信頼性・妥当性の検証が令和2年度に移行したために次年度使用額が生じた。令和2年度に行う調査（信頼性・妥当性の検証のための調査）にて、当該研究費を使用する予定である。