本研究では、2つの前向きコホート研究、1つの生態学的研究を実施したほか、長時間労働とうつ病に関する国際保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)との国際共同プロジェクトに参画し、他国の研究者らと長時間労働とうつ病との関連を検証するシステマティックレビューを実施した。その結果、労働時間とうつ病との関連は強固なエビデンスがあるとは言えないこと、職場の非尊重的態度が精神健康だけでなく身体健康とも関連していること、職場内外のサポート資源は非尊重的態度を経験した時に精神健康を守る十分な緩衝効果があるとは認められないこと、組織風土は職場の非尊重的態度の発生率と関連していること等が明らかになった。
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