研究課題/領域番号 |
19K19441
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 寿寿華 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30823265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 睡眠社会学 / 健康行動 / 社会医学 / 睡眠学 / 行動医学 / 公衆衛生 / 予防医学 |
研究実績の概要 |
不眠症は生活習慣病、循環器疾患や精神疾患等と関連があることから、睡眠は重要な問題として注目されている。また、昨今のAI技術の発達や情報化社会に伴うライフスタイルの変化に対して、これらの社会変化に考慮した健康経営の推進が求められている。 その中で睡眠改善は様々な疾患の予防だけでなく、生産性の向上につながるかもしれない。睡眠衛生の啓発や教育には知識だけでなく、個々人に合った良質な睡眠を導く生活習慣や行動を自発的に促すことが重要である。 本研究の目的は地域在住一般住民に対して健康行動の状況を明らかにし、(1)喫煙、運動習慣、肥満、飲酒、食習慣等といった健康行動・生活習慣の要因数がどのくらい睡眠の質に影響するか。(2)これらの要因がメタボローム解析によって評価される代謝プロファイルにどのような変化を明らかにすることで効果的な睡眠衛生や睡眠障害による心代謝疾患の予防を網羅的に検討する。 35~74歳の職域・国保加入者を対象とした健診データ等を使用し、循環器疾患・脳卒中などの既往歴や睡眠関連の質問等が欠損者を除外した方のベースラインや6年後の追跡データを使用する。健康行動と睡眠の影響やこれらの要因がメタボローム解析を用いた代謝プロファイルにどのような変化をもたらすかを検討した。2021年度は複合的な健康行動が不眠症に与える影響について社会経済的要因を考慮し、生活習慣病や性別ごとに影響を検討し、疾患の有無による影響の違いを検討し、まとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で研究活動に制限もあったため、現在までに①6年後追跡調査のデータ整理、データセットの確認作業②複合的な健康行動と不眠症の関連を解析し、国際学会発表や論文執筆を行った。
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今後の研究の推進方策 |
時間断面複合的による複合的な健康行動と睡眠の関連についての発表や論文執筆を行ったため、今後縦断データを使用してこれらの因果関係も検討する。また上記の関連は高血圧や糖尿病の有無や外的・社会的要因による違いが見られた。これらの関連が交感神経の活動や概日リズムの調整や酸化ストレス、ホルモンの変化の影響も考えられることから、これらのメカニズムを明らかにしていく。メタボローム解析を用いて、血漿または尿中の代謝プロファイルを実施する。関連についてはPCAや混合効果モデル等を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で研究活動に制限があり、次年度も6年後追跡調査のデータ整理・確認作業や縦断データを使用した解析について行うことになったため、引き続き解析委託や学会発表や論文執筆等に使用する。
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