研究課題
腰痛・膝痛などの慢性運動器痛に対する公衆衛生学的観点からのセルフマネジメント強化が重要と考えられる。近年、認知行動療法による不安や恐怖感など痛み認知の改善が注目されており、認知行動療法による慢性運動器痛改善の機序に、セロトニン(5-hydroxytryptamine:5-HT)やβ-エンドルフィン(β-endorphin:β-END)などの神経修飾因子の関与が示唆されている。本研究は、地域中高年住民の慢性運動器痛保有者に対する運動療法と認知行動療法を組合わせたセルフマネジメント支援が、生活機能を改善し、その改善に神経修飾因子が関与するかを、客観的生体指標を加えた無作為化比較試験によって検証する。運動療法や認知行動療法を用いたセルフマネジメント強化と神経修飾因子との関連解明は、地域における客観的根拠に基づく慢性運動器痛の予防の推進に貢献すると考えられる。予備的検証として5-HTとβ-ENDに関する添加回収試験(血清3つ、添加量3条件)を行った。その結果、回収率80~120%の規格内に収まる測定精度を確認できた(5-HT:106.1~119.9%、β-END:83.2~94.6%)。ただし、β-ENDはSPE抽出を推奨する測定キットにおける回収率が良好であった。新型コロナウイルス流行の状況を鑑み令和2年度の開催を見送ることにした。試験開始は令和3年4月現在で未定であるが、事態の収束をみて、実施計画を再構築する予定である。
2: おおむね順調に進展している
研究プロトコルと教材の作成、倫理審査、住民健診で対象者を抽出・参加勧奨を行う体制の整備、ならびに測定条件も確立している。無作為化比較試験の開始は令和3年度以降となる予定である。
無作為化比較試験の実施を進める予定だが、国内の新型コロナウイルスの感染制御方針を十分に考慮し必要に応じて実施計画の変更を行う。
新型コロナウイルス流行の状況を鑑み令和2年度の開催を見送ることにした。試験開始は令和3年4月現在で未定であるが、事態の収束をみて、実施計画を再構築する予定である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
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