研究実績の概要 |
がん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)制度は、拠点病院を中心とした患者の集約化と、がん医療の均てん化を目指している。まず、大阪府下でがん診療を行っている全病院を対象に治療件数による区分(High, Medium, Low, Very low)や拠点病院区分(国拠点、府拠点、非拠点病院)と生存率の関連性を分析した。次に、拠点病院のみを対象とし、各病院で行われたがんに対する全手術件数と3年生存率の関連性をもとに、関連性の変曲点を統計的に推定し、これを拠点病院として最低満たすべき手術件数と位置づけ、現行の拠点病院指定要件の手術件数と比較した。同様の手法を用いて、大阪で罹患数の多いがん(胃、大腸、肺、乳房)とハイリスクな治療を要するがん(食道、膵臓)の手術件数と5年生存率の関連性をもとに、拠点病院が最低満たすべき部位別年間手術件数を推定し、国内の学会が設定している手術件数や海外の国々で設定されている手術件数と比較した。最終年度は、研究成果を国際学会で発表する計画を立てていたが、発表の機会は得られなかった。
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