研究課題/領域番号 |
19K19453
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
湊屋 街子 北海道大学, 保健科学研究院, 特任講師 (50733367)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フタル酸エステル類 / 子どもの発育 / 出生コーホート / 疫学研究 |
研究実績の概要 |
2002年に登録を開始した前向き出生コーホート「北海道スタディ」 (20,926名の妊婦の登録)の参加者のうち現在も追跡が可能かつ、身体計測のために調査施 設への来訪が可能な、札幌市内および近郊の市町村に在住する子ども(年齢は現在6~15歳)に、対面式での発育調査を実施した。 具体的には、対象者(保護者)に本調査の案内を送付し、本研究への参加への同意を得られた者を本研究の対象者とした。子どもには、身体計測、皮下脂肪厚計測、血圧測定、握力測定を実施した。保護者には子どもの生活習慣に関する質問票に回答してもらった。 母の妊娠中の血液を用いて、先行研究から発育や肥満との関連が示唆される物質を中心に 選択した7種類(①モノノルマルブチルフタル酸(MnBP) ②モノイソブチルフタル酸(MiBP) ③ モノエチルヘキシルフタル酸(MEHP) ④モノエチルヒドロキシヘキシルフタル(MEHHP) ⑤ モノベンジルフタル酸(MBzP) ⑥モノエチルカルボキシペンチルフタル酸(MECPP) ⑦モノイ ソノニルフタル酸(cx-MiNP))の濃度分析を実施した。 母親が妊娠初期に自記式で回答した質問票調査から、社会経済状況、教育歴、栄養状態、 飲酒、喫煙などの情報を入手し、カルテからは、採血の時期、出産時の情報、母親の年齢、 身長、体重、在胎週数、児の性別、出生体重、体長、胸囲、頭囲などの情報を入手した。 対面式の身体計測から発育や肥満の指標である、身長、体重、血圧、体脂肪率、皮下脂肪厚、運動機能(握力)のデータを入手し、保護者が回答する質問票調査からは、食事や睡眠、運 動習慣などの情報を入手した。出生コーホートで実施をしている質問票を用いた追跡調査 (4か月、1歳、2歳、4歳、7歳)のデータ(健診の記録など)も利用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画に従って、対面での発育の調査を実施し、30名のデータを収集した。
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今後の研究の推進方策 |
すでに収集した母親の妊娠中の血液や子どもの尿を用いて、フタル酸エステル類7種類の分析を継続するとともに、胎児期、並びに生後のフタル酸エステル類曝露が子どもの発育、肥満などと関連するか、統計解析を行い明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型肺炎の蔓延にともない、当初参加予定であった学会の参加が中止となったため予算に残額が生じた。次年度は、旅費として使用予定である。
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