研究課題/領域番号 |
19K19455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 大資 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (10724726)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 社会的ネットワーク / 社会ネットワーク分析 / 健康行動 |
研究成果の概要 |
喫煙行動がどのように社会ネットワーク内で共有されているのかを、社会調査データを用いて検討した。ネームジェネレータ法を用い、回答者から親密な4人の社会的属性、健康関連行動、コミュニケーション媒体、そしてその4人の間の社会的紐帯の有無などの情報を得た。結果から、回答者と友人の喫煙行動に正の関連があることが確認され、とくに、固有ベクトル中心性として捉えられた「人気のある」友人の行動が強い関連を示した。さらに、それらの関連は教育年数が短い回答者においてより顕著であった。これらの結果から、対人ネットワークによる行動への影響の違いが、社会経済的特徴による健康行動の格差の一部を説明しうることが示唆された。
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自由記述の分野 |
社会心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固有ベクトル中心性によって測定されたネットワーク内他者の構造的特徴が喫煙行動の社会的伝播に交互作用効果を持ちうること、とくにそれが教育年数の短い人々の間で顕著であることを初めて実証的に確認した点に、本研究の学術的意義がある。また、本研究の社会的意義として、これらの知見は禁煙プログラムにおいて参加者の親密な他者の特性を考慮に入れる必要があることを示唆している。すなわち、対人ネットワークを考慮に入れた禁酒プログラムのように、禁煙においても、とくに影響を受けやすい参加者には、ネットワーク構造を考慮し喫煙との関連が強い社会的紐帯からの影響力を減少させるような介入方略が効果的であることが示唆された。
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