新型コロナ(感染症病床)の確保のため、採録に用いる電子カルテ端末の利用を制限する医療機関があり、1医療機関を1人で採録する等、採録に要する時間が長くなる傾向にあった。対応として、医療機関から退院時サマリの電子データを提供を受け、医大内で仮採録を行うことで、現地での採録時間の短縮を図った。しかしながら中通りの2医療機関において採録を完了することができなかった。2013年遡り調査による登録件数は5350件、2018年の登録件数は5716件と6.4%増加した(2医療機関は件数に含めない)。2013年と2018年の方部別登録件数の比較では、中通りにおいては2013年が3099件、2018年が3284件であった。同様に浜通りでは1264件と1496件、会津では987件、936件であった。方部別の脳梗塞の比較では、中通りが2154件と2364件で8.9%増、浜通りが885件と1029件で14.0%増、会津が676件と705件で4.1%といずれの方部でも増加していた。方部別の脳内出血については、中通りが709件と688件で3.1%減、浜通りが284件と350件で18.9%増、会津が249件と185件で34.6%減であった。2018年の方部別の中通り、会津ではいずれも年齢調整発症率では、脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血のいずれも2013年と比較して低下していたが、浜通りについては、いずれも上昇していた。病型については2013年は医師による登録判定済データ、2018年は医療機関の退院時診断結果を用いた暫定値であることから、2018年についても医師による登録判定を完了させ、2医療機関の採録データを補完した上での集計と解析をすすめたい。
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