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2020 年度 実施状況報告書

一般住民における甲状腺機能、家庭血圧・血圧日間変動、認知機能の相互連関の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K19466
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

高畠 恭介  東北医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (10826861)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード甲状腺 / 疫学 / 内分泌 / 血圧 / 認知機能 / 認知症
研究実績の概要

本年度、岩手県花巻市大迫町で実施される健康づくりフロンティア事業および、その一環である家庭血圧測定事業については、新型コロナウイルス感染症対策のため全面的に延期することとした。そのため、甲状腺機能検査、家庭血圧測定、および認知機能に関するデータは収集できなかった。そこで本年度は、中間解析として、甲状腺機能と家庭血圧、血圧日間変動、ならびに軽度認知機能低下との関連を横断的に解析した。前年度に甲状腺機能の指標である甲状腺刺激ホルモン(TSH)ならびに遊離サイロキシン(Free T4)を測定した106名分のうち、非同意者およびデータ欠損者を除いた84名分(主な除外理由は感染症対策のため健診の一部が中止となったことによる)について甲状腺機能と家庭収縮期血圧、収縮期血圧血圧日間変動(個人内家庭血圧測定値の変動係数[CV])および、軽度認知機能障害(ミニメンタル検査スコア27以下)について解析を行った。調整項目として年齢、性別、および降圧薬の内服の有無をモデルに投入した。TSHまたはFree T4の四分位で対象者を分割し、家庭血圧および血圧日間変動の群間差を共分散分析で検討したが、有意な群間差は認められなかった(P≧0.20)。甲状腺機能指標4群のうち最低値群を基準とした軽度認知機能障害のオッズ比を多重ロジスティック回帰分析で算出したが、有意な結果は認められなかった(P≧0.07)。これは、軽度認知機能障害者が25名と少数であることが影響しており、今後の追加データ収集が必要と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度得られたデータセットを用い、データ分布の確認や横断解析による関連の方向性の確認など、研究成果につながる情報が得られた。しかしながら、新型コロナウイルス感染予防対策の影響を受け、追加のデータ収集や保存血清の測定が延期となり、計画にやや遅れを生じている。

今後の研究の推進方策

感染対策に十分留意しながら大迫コホート研究の継続調査を行い、追加の甲状腺機能データ、家庭血圧データ、認知機能データ、およびその他交絡要因となりうる臨床データを収集する。併せて、大迫コホート研究で蓄積された保存血清・血漿を用いて過去の甲状腺機能を測定し、継続調査と保存血清を用いた追加検査でえられた甲状腺機能データの分布を比較する。分布に問題がなければ、得られた全ての甲状腺機能データを統合し、甲状腺機能と家庭血圧指標および血圧日間変動との関連を統計解析で明らかにする。さらには、甲状腺機能、血圧指標、認知機能との関連のメカニズム解明のため、脳萎縮度、脳卒中発症、および無症候性脳血管障害データの追加収集を行う。

次年度使用額が生じた理由

感染症対策により家庭血圧、甲状腺機能検査データ、およびその他臨床情報の収集は全面的に延期となったため、次年度使用額が生じた。次年度にはこれらのデータ収集が再開するうえ、保存血清・血漿を用いた過去の甲状腺機能測定も予定されている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Blood Pressure and Chronic Kidney Disease Stratified by Gender and the Use of Antihypertensive Drugs2020

    • 著者名/発表者名
      Satoh Michihiro、Hirose Takuo、Nakayama Shingo、Murakami Takahisa、Takabatake Kyosuke、Asayama Kei、Imai Yutaka、Ohkubo Takayoshi、Mori Takefumi、Metoki Hirohito
    • 雑誌名

      Journal of the American Heart Association

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.1161/JAHA.119.015592

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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