研究課題
本研究は、大気汚染の地元または越境由来の濃度と健康影響との関連を精査し、エアロゾル数値モデルによって計算した飛来予測濃度データと併せて健康評価を行うことによって予報システムの構築へつなげるものである。初年度においては、過去の2013年~2015年の自覚症状データ及び黄砂、硫酸塩、ブラックーボン、オーガニックカーボンの数値モデル値を算出し、lidar値の黄砂(dust非球形)と汚染物質(spherical球形)の観測値、気候データを用いて線形回帰、ロジスティック回帰を用いて解析を実施した。黄砂予測値と鼻、喉、発熱との関係が強く、硫酸塩予測値と目、呼吸器との関係が強かった。症状と観測値のspherical球形との関係はあまり見られなかったが、dustによる調整を外すと関連が強くなった。そのため、dustによる交絡があることが判断される。黄砂は粒径も大きく、濃度が高くなるため症状への影響が強いと考え、越境大気疎遠物質のうち黄砂による健康影響の大きさを重要視し、黄砂予測と健康との関係を中心に探る重要性がある。また、黄砂に付着した汚染物質との相互関係にも着目する。一方で、黄砂飛来日が地球温暖化に伴い、乾燥地の黄砂発生条件の揃った地形が減少し、越境黄砂現象が縮小していることも念頭に入れて研究を継続する。引き続き、日本における地元由来汚染(車)、黄砂(越境)、硫酸(越境)、カーボン(越境)という発生源を加味しながら自覚症状を上昇させるリスク評価を実施し予測構築を行い、予防行動へつなげる。
2: おおむね順調に進展している
予定通り過去のデータの計算及び解析が終了しており、観測も開始した。
引き続きデータの収集、サンプリングと計算、解析を実施し、健康予報の指数まで算出する。学会、研究会、論文等で公表する。
旅費差額が生じて残金が発生したが、翌年度分と合わせて使用可能な額である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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http://www.med.tottori-u.ac.jp/issey/