本研究開始時の目的は、カンナビノイドによる痙攣発作に関与する脳領域とそのシグナル経路の同定であった。In situハイブリダイゼーションの結果から、視索上核(Supra optic nuleus; SON)が関与していることが示唆された。そこで光遺伝学的手法を用いてSONを活性化したところ、予想に反し痙攣は誘発されなかったが、光刺激時は覚醒時間が延長しNREM、REM睡眠の両方が抑制された。長時間の刺激(4時間以上)においても睡眠は完全に抑制され、刺激後にはリバウンド睡眠が見られた。これらの結果はSONが覚醒状態の誘導や維持に深く関与していることを示している。
|