診療関連死における死後CTの適正な解釈・撮像法の確立

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K19482
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 石田 尚利 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40822367)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 死後画像診断 / 死亡時画像診断 / Autopsy imaging / Postmortem imaging / Forensic radiology

研究実績の概要

①生前CTと死後CTの比較研究では、死後CTでの腹水濃度が生前造影CT漏出による可能性を明らかにした。本内容は査読付き国際誌(筆頭・責任著者)に受理された。(Ishida M et al.Forensic Science International 321 110727, 2021)
②院内死亡の肺炎と肺水腫の死後CT所見を検討し、査読付き国際誌(最終著者)に受理された。(Gonoi W et al. Legal Medicine 45 101716, 2020)
③生前CTでの造影剤投与による死後CTの基底核の増強効果についての症例報告が査読付き国際誌(責任著者)に受理された。(Okimoto N et al.Radiology Case Reports, 2021, in press)
④国内学会での発表2題、国際学会での発表1題を行った（共同演者）。
⑤Autopsy imagingに関する依頼講演(日本医師会, 日本診療放射線技師会, Ai学会 死亡時画像診断(Ai)研修会)を行った。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理由
研究課題の一つに関する英文原著論文として2編が査読付き国際誌に受理された。さらに英文症例報告として1編が査読付き国際誌に受理された。

今後の研究の推進方策

当初の予定を引き続き遂行する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響で各学会がオンライン開催となったため旅費の使用がなかった。研究に用いるPCやモニターの増設を行わなかった。これらにより次年度使用額が生じた。翌年度分として、人工知能を用いた研究が開始されるにあわせ、新たなPCやモニターの設置を計画している。

研究成果

• [雑誌論文] Longitudinal comparison of ascites attenuation between antemortem and postmortem computed tomography (2021)
  • 著者名/発表者名: Masanori Ishida, Wataru Gonoi, Hiroyuki Abe, Go Shirota, Kotaro Fujimoto, Naomasa Okimoto, Tetsuo Ushiku, Osamu Abe
  • 雑誌名: Forensic Science International 巻: 321 ページ: 110727
  • DOI: 10.1016/j.forsciint.2021.110727
  • 査読あり
• [雑誌論文] Delayed cerebral enhancement on post-mortem computed tomography due to residual contrast medium administered shortly before death (2021)
  • 著者名/発表者名: Naomasa Okimoto, Masanori Ishida, Hiroyuki Abe, Masako Ikemura, Kotaro Fujimoto, Noriko Kanemaru, Tetsuo Ushiku, Osamu Abe, Wataru Gonoi
  • 雑誌名: Radiology Case Reports 巻: in press ページ: in press
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Pulmonary postmortem computed tomography of bacterial pneumonia and pulmonary edema in patients following non-traumatic in-hospital death (2020)
  • 著者名/発表者名: Wataru Gonoi, Yusuke Watanabe, Go Shirota, Hiroyuki Abe, Hidemi Okuma, Yukako Shintani-Domoto, Taku Tajima, Masashi Fukayama, Osamu Abe, Masanori Ishida
  • 雑誌名: Legal Medicine 巻: 45 ページ: 101716
  • DOI: 10.1016/j.legalmed.2020.101716
  • 査読あり
• [学会発表] 生前と死後の腹水CT値の比較：同一症例における縦断研究 (2020)
  • 著者名/発表者名: 石田 尚利, 五ノ井 渉, 沖元 斉正, 藤本 幸多朗, 阿部 浩幸, 牛久 哲男, 阿部 修
  • 学会等名: 第18回オートプシー・イメージング学会学術総会
• [学会発表] 肝臓における早期死後変化の検討：生前と死後の肝臓体積及びCT値の比較 (2020)
  • 著者名/発表者名: 藤本 幸多朗, 五ノ井 渉, 石田 尚利, 沖元 斉正, 阿部 浩幸, 牛久 哲男, 阿部 修
  • 学会等名: 第56回日本医学放射線学会秋季臨床大会
• [学会発表] Postmortem lung CT of bacterial pneumonia and pulmonary edema in patients with natural in-hospital death (2020)
  • 著者名/発表者名: W. Gonoi, Y. Watanabe, G. Shirota, H. Abe, H. Okuma, Y. Shintani-Domoto, M. Fukayama, O. Abe, M. Ishida
  • 学会等名: European Congress of Radiology
  • 国際学会