本研究では、「(1)人工合成DNAのスタター比率及びスタター発生率を測定する系の確立」、「(2)繰返し配列の塩基の並び順によるスタター比率の相違」、「(3)スタター発生率は、PCRサイクルで一定ではない可能性」の3つの成果を得た。このうち、(2)及び(3)については、当初想定していなかった結果であった。特に(2)は、従来の定説である「反復配列のAT含有量が高いほどスタター比率が高くなる」が4塩基の反復配列には当てはまらず、塩基の並び順に影響されることを強く示唆するものであり、非常にインパクトのある新たな知見が得られたといえる。
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