研究課題/領域番号 |
19K19493
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
工藤 ひろみ 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (50552684)
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研究期間 (年度) |
2020-02-01 – 2023-03-31
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キーワード | タッチング / 軽擦 / 圧力 / オキシトシン |
研究実績の概要 |
本研究は、オキシトシンの分泌を促すタッチング手法について実験研究で解明するとともに、看護学生を対象とし臨地実習におけるタッチングの介入方法を提案できる基礎資料を作成することを目的としている。 令和2年度は、実験研究の対象者の選定について、性別、年齢やタッチングの受け手と実施者との関係性などについて文献検討を行った。現在対象者の条件が確定しつつある。また、タッチングの部位についても先行研究及び予備実験を通じて検討中であり、背中から肩、上半身にかけて行うことを検討している。また、タッチング施行者の手法を統一するため、軽擦する際の圧力やスピードについても予備実験を通じて検討する段階にある。 自律神経機能の評価は、心拍変動、交感神経・副交感神経活動指標の測定を行う予定であり、現在「BACS Advance 指尖脈波収集装置」を使用して計測可能かどうか検討している段階である。また、主観的評価においても当初は、Profile of Mood States (POMS)を検討していたが、リラックス指標として別の尺度も視野に入れて検討中である。さらに、対象者の唾液を採取しオキシトシンの濃度の測定を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染のリスクが高いため、唾液中のオキシトシンの測定は再考している段階である。 看護学生を対象としたタッチングに関するアンケート調査では、現在所属する機関の倫理委員会への申請書を作成中であり、今年度の臨地実習を経験する看護学生を対象にアンケート調査を行う準備をしている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の対象者を一般市民を想定していたが新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から、対象者を集めることが困難であった。またオキシトシンの測定は唾液を想定していたが、新型コロナウィルス感染のリスクが高いため実験手法の根本的な見直しが必要となり、実験条件、方法の設定、対象者の選定の再考のため開始に遅れが生じている。 また看護学生を対象とし実習期間中でのタッチングの実施状況について質問紙調査を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染の状況から病院実習自体がオンライン形式やペーパーペイシェントに切り替わるなどして、十分な実習を経験できていないため、昨年度は調査を行わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
タッチング手法の解明については、まず、タッチングの際の軽擦に係る圧力の可視化を行うことをして実験を行う予定である。生理的指標との関連性付けにデータを習得し、その後オキシトシンのデータ採取を行う予定である。オキシトシンは唾液から採取をすることを想定していたが、新型コロナウィルスの感染状況やワクチンの普及状況の動向をみつつ、場合によっては血液データからの指標に切り替える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の対象者を一般市民を想定していたが新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から、対象者を集めることが困難であった。またオキシトシンの測定は唾液を想定していたが、新型コロナウィルス感染のリスクが高いため実験手法の根本的な見直しが必要となり、実験条件の設定、対象者の選定の再考のため実験を行うことができず、次年度の使用額が生じている状況である。また、学会の参加を計画していたが、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から出張を行わず旅費も使用していないため、次年度への使用額が生じている。 2021年度から実験、質問紙調査を行い、データの収集、分析を順次行う予定であり、残額はデータ収集に係る消耗品、実験補助者への謝金等に使用する予定である。
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