研究課題/領域番号 |
19K19499
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
糸嶺 一郎 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00338013)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 社会人基礎力 / 看護師 / 尺度 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護師の社会人基礎力尺度を開発するにあたり、経済産業省の提唱するその概念を崩すことなく適用できる尺度とすることである。 初年度は、これまで発表された社会人基礎力に関わる論文を精査し、知見を積み重ねるとともに、質問文の検討に有用な結果を検索した。その後、研究チーム内で文言の検討を行い、プレテストにて因子分析を繰り返し、社会人基礎力の3つの下位概念と12の能力要素に収束できる質問文を作成する予定であった。 検討チームによる検討により、かねてからの懸念であった下位項目の一つである「チームワーク」に属する「ストレスコントロール力」が「アクション」に入ってしまう問題については、質問文から「行動」を想起させる表現を変更することで、対応できる可能性を導くことができた。 しかしながら、新型コロナ感染症の影響により、検討チームのメンバーが多忙となったため、それ以上の文言の検討に費やす時間が確保できず、先行研究においても収束しなかった3つの下位概念のを終収束させうると確信の持てる質問文を作成することができなかった。また、コロナ禍による昨今の医療現場の逼迫した状況から、質問文が完成した後に実施するプレテスト予定の医療機関からも協力が得られない状況となった。 このような状況から、予定ではプレテストを繰り返し行い、質問文の精度を上げて完成を目指す、という方針が困難になったため、検討チームによる丁寧な質問文の検討をするように方向を変える必要があると考える。 同時に、コロナ禍ではあるが、研究に協力を得られる医療機関を開拓してゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
看護師の社会人基礎力尺度を開発するためには、質問項目の文言の妥当性について、看護専門職者、看護学に関わる研究者らで構成した検討チームによる質問文の検討をする必要があったが、コロナ禍による影響のため意見交換をする時間が限られ、確信の持てる質問文を作成することができなかった。また、作成後にプレテストを実施する予定であった医療機関からの協力が得られない状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
当初は1ヶ月に1回の割合いで意見交換を実施する予定であったが、チームメンバーが多忙となったため、2ヶ月に1回、オンラインでの検討に切りかえてゆく。 また、質問文に関しては、3つの下位項目が経済産業省の提唱するその概念と一致するように作成するが、今後もこれまで発表された社会人基礎力に関わる論文を精査しながら、できる限りプレテストの回数を減少できるように、検討チーム内での作業を増やす方向に方針を変更する。 プレテストについては、国内のワクチン接種の状況にもよるが、今後も協力を得られるよう、既存の医療機関や新たな医療機関への説明と交渉を進めて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
経済産業相の社会人基礎力の概念に沿った社会人基礎力尺度を作成するために、研究チームにおいて質問紙の文言の検討を重ね、プレテスト用の質問紙を作成する予定であったが、研鑽を深める活動や質問紙の十分な検討ができず、それにかかわる費用や学会参加に関わる旅費等が執行できなかった。また、新型コロナウイルス感染症の影響により医療機関の協力が得られなかったため、調査が実施できず、次年度使用額が生じた。 アンケートが実施でき、またその成果を報告できるようになれば問題なく消化できると考える。
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