研究課題/領域番号 |
19K19502
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
渡邊 里香 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (30822762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | キャリア形成 / 雇用形態 / 管理者 / 非正規 / 看護師 / 育児期 |
研究実績の概要 |
育児期の非正規看護師の所属する部署の看護師長11名に対して、勤務実態とキャリアの課題についてインタビューしたデータを分析し、学会発表を行った。またその内容を精錬させた内容を投稿中である。11名の看護師長の部署にいる育児期の非正規看護師は29名であった。 ①勤務実態については、逐語録をもとに、29名の1ヶ月あたりの勤務日数、1日の勤務時間数、業務内容をデータベースにし、分析を行った。 平均の勤務時間は正規看護師の約6割であった。超過勤務と夜勤をする者はいなかった。業務内容は、フリー業務が中心であったが半数は受け持ちも行っていた。受け持ちをする者のほうがしない者より勤務時間が長い傾向であった。リーダーや委員会活動をする者も少数いたが、リーダーと委員会活動は正規と非正規の線引きにしているという部署が多かった。それらは超過勤務を生じさせる可能性があるためではないかと推察された。勤務時間の長さが業務の幅に影響している。 ②育児期の非正規看護師のキャリア形成を取り巻く状況について、逐語録よりキャリアに関する内容をコード化し、サブカテゴリー化・カテゴリー化を行った。6カテゴリ-、29サブカテゴリーが抽出された。非正規雇用形態を引き起こす社会構造があると考察され、看護専門職のキャリア形成を妨げる要因を、個人や家庭の考え方や各病院の問題、とするのではなく、俯瞰的視点で課題を捉えて対策を検討する必要性が示唆された。また、雇用形態により学習機会に差があること、現行制度の中で、管理者の裁量の範囲で非正規の強みを活用したり教育的関わりをしたりしていること、が明らかとなった。 今後、非正規看護師本人への量的調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
育児期の非正規看護師が部署にいる看護師長へのインタビューは終了したが、その質的データの分析や投稿準備に時間を要した。そのため、非正規看護師自身への量的研究の計画が、遅れたため、量的研究の時期を翌年とすることとして、期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
管理者へのインタビューの分析結果を踏まえ、非正規看護師への量的調査を計画している。これまで、1人の研究課題として取り組んできているが、ここまでの考察により、長期的には、現在の正規・非正規の二元化されていることの是非について検討したいと考えている。2023年度は次の研究を共同して実施してもらえる研究者を確保したため、複数で会議をもちながら実施することで推進していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
質的分析と成果報告に時間を要したため、量的調査の実施時期が遅れた。次年度に量的調査とその成果報告を実施予定。
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