研究課題/領域番号 |
19K19508
|
研究機関 | 千葉科学大学 |
研究代表者 |
中村 幸代 千葉科学大学, 看護学部, 研究員 (60782852)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 看護職 / 看護師長 / 病気 / 就業支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、病気を抱えながら就業している看護職に対して、病棟看護師長がどのような認識を持ちながら関わっており、実際にはどのような就業継続支援を提供しているのか、それらの内容を明らかにすることを目的としている。当該年度は病気を抱えながら就業している看護職へ何らかの就業支援を提供した経験がある看護師長を対象として、あらかじめ設定した面接内容に基づいた半構造化面接を実施した。当初の計画では対面式の面接調査を計画していたが、COVID-19の感染拡大状況を踏まえ対面式での面接調査の実施は困難であると判断し、オンライン上での面接調査へ変更した。そのため、研究計画の修正(倫理審査の再受審)およびオンライン環境の設定などの準備に時間を要した。また、対象者として協力を依頼した方の多くは現在医療機関で看護師長として就業している方がほどんどであり、調査協力を得ることが困難な状況もあったが、最終的には予定していた対象者数のデータ収集を終えることが出来た。現在、質的データの分析を進めており、病棟看護師長の認識としては病気を抱えながら就業している看護職に対して前向きに捉え、個々の状況に応じた支援提供を行っている様相が浮かび上がってきた。しかしその半面では、病棟内の別のスタッフとの関係性に困難感を抱く状況や師長として中立な立場にあることを意識するあまりにスタッフとの見えない壁があることを自覚するといった認識も浮き彫りになった。今後、さらに分析を進めていくことで幅広い認識の特徴や実際の支援内容を整理していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、面接調査の結果を踏まえて質問紙を作成する計画であった。現在までに、面接調査によるデータ収集および分析はおおむね終了することはできたが、当該年度前期は調査協力が困難な状況が続いたことから、当初の研究計画から遅れをとっていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、現在行っている質的調査のデータ分析を進め、病気を抱えながら就業している看護職に対する看護師長の認識および提供している就業継続支援の内容について類型化を進める。この結果をもとに、実態を把握するための質問紙および倫理審査の受審を経て、全国調査を実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、研究計画で予定していた調査を実施することが出来なかったため、次年度使用額が発生した。未使用額については、追加で実施予定のインタビュー調査の謝礼およびデータ入力作業の委託料、質問紙調査に使用する印刷代、郵送費、データ分析ソフトの購入費などに使用する予定である。
|