本研究は、病気を抱えながら就業している看護職に対しての看護師長の認識と、支援行動との関連について検討することを目的としていた。今年度は、昨年度の調査から引き続いて看護師長の認識と支援行動を類型化するにあたっての質的記述的研究を行った。看護師長の認識として、【頑張って働いてくれていることへの感謝】【看護師長としてスタッフを守りたいという意識】【看護職だからこそ病気体験が生かされる】【スタッフとの適度な距離感を意識する】【スタッフ間での関わりのバランスに困難感を抱く】【支援の複雑さへ困難感を抱く】などのカテゴリーで構成された。また、支援行動としては【周囲との連携・調整を図る】【働きやすい労働環境を調整する】【一個人として寄り添って関わる】【自ら率先して休みやすい環境づくりをする】などのカテゴリーで構成された。前述の調査で得られた結果および先行研究の結果に基づいて、看護師長の認識と支援行動の関連を検証するための質問紙の作成および量的記述的研究を実施した。研究対象者は、病床数300床以上を有する全国の病院施設で就業している看護師長570名であり、現時点で308名の協力が得られた(回収率54.0%)。データ収集の途中過程で、本研究課題は最終年度前年度応募研究課題の採択により廃止申請を行うこととなった。本研究課題は廃止にはなるが、引き続いて追加でデータ収集を行い、分析を進めていく予定としている。
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