研究課題/領域番号 |
19K19526
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉山 祥子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00836174)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看護師 / 責任 / 看護実践 |
研究実績の概要 |
看護師を対象として参加観察ならびにインタビューを実施するため、看護部と交渉し対象者のリクルートを行った。現在までに16名の看護師に研究への参加を依頼し、15名の看護師から研究参加の同意が得られ、参加観察とインタビューによるデータ収集を行った。修正版グラウンデット・セオリー・アプローチを方法論として用いて収集したデータを「看護師がどのように責任を果たそうとしているのか」という視点で分析を行った。 分析の結果、17個の概念から5つのカテゴリーが生成された。看護師は責任を果たそうとする際、看護専門職としての特性を意識し、医療者間で得た患者情報の共有によって患者を看護するために必要な情報を収集していた。看護師は患者に必要な看護を考えるために、医療者間で得た患者情報の共有をする過程において、看護師としての考えを言語化し同僚や他の医療職者へ伝える必要性を感じ実践していた。看護師は医療者間で得た患者情報を取り扱いに留意しながら共有し、その情報を踏まえて看護を実践していた。看護師は、患者が日常生活を維持できるよう生活者としての患者を尊重することも、看護師が責任を果たそうとすることだと考えていた。そして、看護師が実践によって、患者にとっての利益を届けるすなわち患者がより良い状態になるという目的を達成できるように患者に利益を届けるための関門機能として責任を果たそうと考えていたことを明らかにした。 看護師は実践に必要な患者の情報を収集し、治療によって患者の日常生活が妨げられないよう「関門機能」として看護師の権限を行使し、その行使した権限に対する義務を負おうとしていることが示唆された。分析結果の一部を論文として投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、調査対象の病院ならびに看護師のリクルートに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
看護師が果たすべき責任に関する調査の実施に向けて、対象者のリクルート、対象者が所属する病院、看護部との交渉を引き続き行っていく。収集したデータの分析を行い、必要に応じて追加でデータを収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、研究参加対象の病院ならびに看護師のリクルートに時間を要しているため。また、データ収集と分析を継続し、論文を執筆する計画である。
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