研究課題/領域番号 |
19K19527
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大河原 知嘉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (80632091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 訪問看護師 / 継続教育・研修 / 訪問看護実践能力レベル |
研究実績の概要 |
本年度は今後行う面接調査の参考とするため、訪問看護師の能力レベルと訪問看護事業所における教育・研修体制との関連の分析を行った。データは一部予定変更して2019年度に行った全国調査のデータを用いて、引き続き分析をした。 訪問看護師の能力レベルについては、訪問看護師のラダーなどを参考に、調査票作成時に、訪問看護師の能力レベルを1)初心者、2)新人、3)独り立ち、4)一人前、5)中堅、6)熟練の6段階に定義した。 各事業所における能力レベル1の訪問看護師割合:平均(±SD)は、1.53(±8.46)、能力レベル2の訪問看護師割合は5.17(±10.51)、能力レベル3の訪問看護師割合は15.53(±20.42)、能力レベル4の訪問看護師割合は26.48(±26.01)、能力レベル5の訪問看護師割合は37.80(±29.16)、能力レベル6の訪問看護師割合は13.50(±20.22)であった。 訪問看護師経験が浅く、訪問看護師としての能力レベルが初心者、新人、独り立ちにあたる訪問看護師能力レベル1~3の看護師の割合が3割以上の訪問看護事業所は55事業所(32.0%)、3割未満は117事業所(68.0%)であった。 訪問看護師能力レベル1~3の割合が3割以上か3割未満かと、教育・研修体制のχ二乗検定を行った(p<0.05)。その結果、訪問看護レベル1~3の訪問看護師が3割以上の事業所では、リハビリテーションや虐待の外部研修に参加していた。また訪問看護レベル1~3の訪問看護師が3割以上の事業所では、人手不足で内部研修を行うことを困難に感じていた。そして、訪問看護レベル1~3の訪問看護師が3割以上の事業所では、外部研修に参加するための予算を組むことを困難に感じていた。内部研修の実施状況やその他の外部研修の参加状況と訪問看護師実践レベルとの関連は見られなかった。 また本年度もCOVID-19の関係で、当初予定していた海外での研修参加や学会参加などはかなわなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度中に分析結果に基づき訪問看護師への面接調査を行うことを考えていたが、COVID-19の影響により、当初の対面での面接調査が困難になり、倫理審査の修正を行いオンラインでの面接調査を行うよう変更申請が必要となった。それに加え所属変更によりデータの取り扱いに関する倫理的問題が生じないようにするため、面接調査は来年度に延期することとした。そのため、予定通り面接調査が行えず、遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は実施できずにいた面接調査を実施するために、新しい所属での倫理審査の申請を行う。倫理審査での承認が下り次第、さまざまな能力レベルの訪問看護師に面接調査を行い、その分析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた海外での研修参加や学会参加などがCOVID-19の影響で困難になり、経費を支出することができなかった。 また、倫理審査や所属異動の影響により、予定していた面接調査を本年度行うことができなかった。そのため、対面からオンラインに変更した面接調査に必要な経費や、面接調査時の謝金、逐語録作成費用や、分析に必要な謝金などの費用を次年度に使用することとした。
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