研究課題/領域番号 |
19K19528
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平見 有希 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (10729263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 看護学 / EBN / アトピー性皮膚炎 / ICT |
研究実績の概要 |
アトピー性皮膚炎患者では、QOLの低下がみられることが複数の研究で明らかになっている。アトピー性皮膚炎患者の治療において、かゆみをコントロールすることは重要な事柄とされている。またアトピー性皮膚炎患者にとって、自分がいつ掻破しているのかを知ることは、掻破を抑制するなど病状の悪化を防ぐ効果も期待できる。 かゆみは特に夜間に増強することが知られているが、患者自身が夜間の掻破の様子を知ることは容易ではない。これまでにも研究のために使用可能な器械は存在していたが、非常に高価であったり、結果がそのまま読み取れなかったり、患者自身が日常的に使用するのは困難であった。近年のICTの発達に伴い、ヘルスケア領域でも様々なデバイスで使用可能な、多種多様なアプリが開発されてきている。その中には掻破行動を計測できるものもある。 そこで本研究ではスマートウォッチにインストールしたアプリを使用し、アトピー性皮膚炎患者自身が夜間の掻破状況を理解できるかを確認すること、さらに夜間の掻破状況の理解がアトピー性皮膚炎の重症度を回復させ、患者のQOLを向上させるかを確認することを目的に研究を行うことにした。 令和元年度は介入研究をするためのプロトコールを作成する準備期間と位置づけた。少数の患者を対象に使用予定のアプリの操作性、所用時間、スマートウォッチ着用による睡眠への影響の有無、着用する腕の左右差の影響などを確認した。その結果、アプリで計測された結果が上手く保存されない場合があることがわかり、その際の対処方法について検討した。また同時に対象者の選定にあたり、協力が得られる施設を検討した。令和2年度はプロトコールを完成させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備研究を開始するにあたりアプリ等の操作性を確認した際に、色々なトラブルが生じる可能性が考えられた。このまま実施しては測定結果にバイアスが生じる可能性が高いため、考えられるトラブルに対する具体的な対処方法を検討した。そのため予備研究を開始することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、COVID-19感染症拡大防止のため、医療機関とコンタクトをとること、対象者を選定することが困難である。状況を見ながら対応して行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
数台の器械を購入して操作性等を確認していた段階で、トラブルへの対処方法を検討する必要があったため、それが確認できるまで追加の器機を購入しなかった。そのため今年度分の使用額が計画より少なくなり、次年度使用額が生じた。
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