研究課題/領域番号 |
19K19531
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大山 裕美子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90736349)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フォロワーシップ / 看護の質 |
研究実績の概要 |
保健医療従事者の少なくとも80%は主にフォロワーに位置づけられるポジションにあり、組織が上手く機能し良いアウトカムを得られるかどうかはフォロワーに影響を受けていると考えられている。また、臨床での看護の質にはフォロワーシップがどのように取られているのかが大きく影響するため、看護師のフォロワーシップを育成することは組織だけではなく患者にとっても重要である。本研究では「医療施設における看護の質を向上させる看護師のフォロワーシップとは何か、またその育成をどのように行っていくのが望ましいか」を検証していくものである。
今年度は医療従事者のフォロワーシップと組織アウトカムに関する研究を概説することを目的とし文献レビューを実施した。医療従事者のフォロワーシップと組織アウトカムに関する和文・英文論文を対象とした文献レビューを実施したが、最終的な分析対象となったものは3件のみであり、保健医療の分野ではフォロワーシップに関する研究はまだあまり実施されていなかった。2研究においては、研究対象者の70%~80%が最も望ましい模範的フォロワーシップのスタイルを持ち、それが良い組織アウトカムに関連していることが報告されていた。一般的に模範的フォロワーシップのスタイルをもつことで、組織の方針を吟味し自らの仕事に意味付けをすることで、自ら納得したうえで患者や組織にとって望ましい行動をとることにつながると考えられているため、模範的フォロワーシップのスタイルが良い組織アウトカムを得ることに貢献するものと考えられた。同時に、看護の質指標の少なさも明らかになり、フォロワーシップと同時に質指標の開発を進めていくことが必要と考えられた。現在、新型コロナウィルス感染症の影響で、医療施設への調査依頼が難しくなっていることから、次年度は重要な組織アウトカムの一つである看護の質指標の開発を中心に実施していく予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響で、医療施設への調査依頼が困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した文献レビューの結果、看護の質指標の少なさが明らかになり、フォロワーシップと同時に質指標の開発を進めていくことが必要と考えられた。2021年度は、 当初の計画では医療施設の看護師を対象とした質問紙調査を行う予定であったが、現在、新型コロナウィルス感染症の影響で、医療施設への調査依頼が難しくなっている。そのため、フォロワーシップを考えるうえでは重要な組織アウトカムの一つである看護の質指標の開発を中心に実施していく予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度実施予定であった質問紙調査を行うことができなかったため。また、国際学会参加旅費の支出がなくなったため。
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