研究課題/領域番号 |
19K19533
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
稲垣 聡 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (70785451)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 自己管理支援 / ゲーミフィケーション / ピア・サポート / 患者報告式システム / e-health / m-Health / ICT |
研究実績の概要 |
本研究は、ゲーミフィケーションの要素を取り入れた新たな糖尿病自己管理支援システムを構築し、2型糖尿病患者に使用してもらうことで、糖尿病患者の自己管理に効果があるかを検証し、さらに効果的なゲーミフィケーション要素について検討することを目指している。 2021年度は、糖尿病自己管理支援システムによる介入研究で用いる尺度の信頼性・妥当性の検討と、研究参加者の募集を計画し、実施した。本研究では、ゲーミフィケーション要素を含む糖尿病療養支援システムを利用することによって、糖尿病患者の療養行動に対する動機づけが、どのように変化したかを検証するものである。そのため、介入研究では、糖尿病患者の療養行動に対する動機がどのように決定づけられているかを問う糖尿病療養行動の動機づけ尺度(TSRQ)を使用する。この尺度は、これまで日本で使用できなかったため、尺度翻訳と妥当性の検討のプロセスに従って日本語版の尺度の開発を進めることとした。 尺度開発過程では、尺度特性を確認するため、インターネット調査を利用して、510名の2型糖尿病患者に質問紙調査を実施した。結果として、自律的動機7項目、統制的動機7項目の2因子14項目構造で、Cronbach's α=0.91と高い信頼性を有する尺度「日本語版糖尿病療養行動の動機づけ尺度(TSRQ-DJ)」を開発した。 尺度の開発・検証後、所属機関の研究倫理委員会の承認を得て、2021年12月より研究協力施設の募集を開始し、2022年1月から研究参加者の募集を開始した。兵庫県において、新型コロナウィルスまん延防止等重点措置期間中は研究協力施設・研究参加者の募集を自粛した。そのため、2022年3月末時点では研究参加者数が目標数に達しておらず、2022年4月現在も研究参加者の募集を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度にシステム調達を完了できなかったことによる遅れがスケジュール全体的に影響している。さらに、COVID-19感染拡大状況下にあるため、研究協力施設へのアクセスや、研究参加者へのアクセスが困難になり、初年度の遅れを取り戻すことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年1月より外来通院中の2型糖尿病患者に対して、自己管理支援システムを用いた介入研究を行っている。引き続き、介入研究の研究参加者の募集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 研究全体の遅れにより、研究参加者への謝礼の支払いや学会発表、論文の発表に掛かる費用が2022年度に繰り越された。 (使用計画) 研究参加者に支払う謝礼が必要となる。また、論文投稿費用や、糖尿病関連学会への参加費および旅費等の支出を計画している。
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