研究課題/領域番号 |
19K19538
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
栗原 幸子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 講師 (60344975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 看護技術 / リフレクション / 看護基礎教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護学生のリフレクション能力に対して教育的支援を行うために、リフレクションを取り入れた看護技術演習プログラムを構築することである。 令和元年度は、前年度に引き続き、リフレクションシートを看護技術演習に取り入れた。リフレクションシートは、看護技術の学内演習において、学生が看護者役として看護技術を実施した後、印象に残った場面の状況と場面を振り返って感じ考えたことを記述する記録用紙である。このシートは、看護技術演習にリフレクションを取り入れている他大学の教員より助言をもらい作成し、前年度より当該演習に取り入れているものである。リフレクションシートは、看護技術の単元ごとに計4回、学生が記述して提出し、教員が読んで必要時コメントを入れて返却をした。今年度は、前年度に計画した研究の継続で、回収したリフレクションシートの記述内容の推移の分析を行った。その結果、患者の立場から自身が行った看護技術を評価するリフレクションが記述されていた学生の場面の記述には、患者の反応や様子が描かれていた一方、看護者の行為のみ修正するリフレクションに留まり、患者の立場からの評価が記述されていなかった学生の場面の記述には、看護者の反省や解釈が含まれていることが多かった。 以上から、看護技術演習において、患者の立場から看護技術を評価するリフレクションを学生に促すためには、自身が行った看護技術実施場面を、患者の反応を含めて事実的・客観的に記述できるような支援が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初計画では、初年度より、リフレクションに関するFD研修ならびに有識者を交えての検討会議を実施し、プログラムの計画・実施・評価をしていく予定であった。しかし、前年度から導入したリフレクションシートのデータ分析が遅れており、その成果が不明なまま、新たな取り組みを取り入れることが困難であったため、FDの講師依頼等が進められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も同様にリフレクションシートを取り入れて看護技術演習を行う。リフレクションシートの内容の分析結果をふまえて、リフレクションシートに教員がコメントを入れる際に、場面の記述が事実的・客観的であるかという観点からコメントを入れ、それによりリフレクションの内容が変化するか検討する。また、当初計画していた、リフレクションに関するFD研修と有識者を交えての検討会議を実施し、より良いプログラムの構築に向けて取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、初年度より外部より講師を招いてFD研修を行い、また、有識者を招いて授業の評価会議を行う予定であった。しかし、研究計画の遅れにより、FD研修等を行わなかったことから、PC等の物品の購入に留まり、旅費・謝金の使用がなかった。今年度は、FD研修を計画し、研修講師への旅費・謝金として使用したい。
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