研究課題/領域番号 |
19K19546
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安岡 砂織 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80459817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 感染予防 / 皮膚常在菌 / アクセス関連感染 / 皮膚保護材 |
研究実績の概要 |
本研究の意義は、これまでの血液透析アクセス感染予防策は医療従事者の手指衛生や無菌操作といった標準予防策の徹底、抗菌薬の適正使用などが示されている。しかし、これまでの研究成果から患者自身が保有する常在菌により感染症を発症していることが示唆された。そのため、根本的な予防策として、患者の皮膚常在菌を除菌や消毒、あるいは可視化することで感染症の発症予防に寄与するのではないかと考えた。 本研究の目的は、血液透析アクセス感染予防のためにカテーテルやシャントの管理の実態を明らかにすること、更に微生物(皮膚常在菌)の自己融解や死滅などの可視化メカニズム(生化学的な反応)に着目した新たな皮膚消毒及び保護材の開発に向けての基礎資料として示唆を得ることである。 本年度の計画では、生化学的反応を用いた実験を継続して行うことで、可視化メカニズムプロトコールをin vitro 手法で確立し,生化学的反応を明らかにすることである。 本年度の成果として、4菌種(黄色ブドウ球菌(ATCC6538)、表皮ブドウ球菌(ATCC12228)、大腸菌(ATCC8739)、腸球菌(ATCC29212))を用いた、生化学的反応実験を行った。結果、黄色ブドウ球菌、大腸菌、腸球菌では、菌量および時間経過とともにpHが変動することが明らかとなった。実験で得られた結果を関連学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
標準株の入手や手続きに時間を要した。また、実験の手技獲得に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果を基に、実験プロトコールを作成した。次年度は、この実験プロトコールに従い、皮膚常在菌の発育をpHにより可視化できるか評価を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
標準株購入および実験の遅延により、当初の使用額より減少した。次年度は、実験プロトコールに従い、皮膚常在菌の発育をpHにより可視化できるか評価を行い、成果を関連学会で発表する。
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