研究課題/領域番号 |
19K19556
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
塚越 徳子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60723757)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がん / 認知症 / 老人看護専門看護師 / 看護支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知症を有するがん患者家族を支援するがん診療連携拠点病院看護職を対象とした教育プログラム試案を作成することである。 2022年度は、認知症関連領域の専門看護師を対象にインタビュー調査を実施した。コロナ禍であることを考慮し、対面からオンラインでのインタビュー調査に切り替えて実施した。 A県老人看護専門看護師会に所属する老人看護専門看護師15名に調査協力を依頼し、7名より協力を得た。面接内容は、がんと認知症を併せ持つことに焦点を当てた老人看護専門看護師による看護支援を分析テーマに、質的記述的研究手法を参考に分析した。結果、【がん診断・治療がその人にもたらす意味のアセスメント】【穏やかに過ごすためのケア】【がん罹患を有利に捉えたケア】【がん治療や生活支援の専門家や他職種との協働】の4カテゴリが生成された。特に、【がん罹患を有利に捉えたケア】は、サブカテゴリ「がんの病状予測が可能であることをプラスに捉えて先を見越した支援を行う」と「がんと認知症を併せ持つことで有利に利用できる医療サービスを活用する」から構成された。これらから、老人看護専門看護師は、認知症患者に対し、がんであることをプラスに捉えて看護を実践していることが明らかとなった。認知症によって本人の意向やがんの苦痛症状が表面化しづらいため、その人にとってのがん診断・治療の意味を推し量りながら、穏やかに過ごせるよう多職種協働で支援していた。この知見は、がん診療連携拠点病院看護職を対象とした教育プログラムに活用することができると考える。 本結果と、先に公表した「がん関連領域の専門・認定看護師が捉える認知症を有するがん患者・家族に対する看護上の課題」をもとに、がん診療連携拠点病院看護職を対象とした質問紙を作成し、調査することを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍を考慮し、調査方法をオンラインに切り替えて実施したため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、がん診療連携拠点病院看護職を対象に質問紙調査を計画している。新型コロナウイルスの感染症分類の変更に伴い、調査施設の協力を得られるのか不透明であるため、複数の協力施設を確保して取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙票差の印刷および郵送費として計上していたが、実施しなかったため。次年度に実施を検討している。
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