研究課題/領域番号 |
19K19565
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
野末 明希 宮崎大学, 医学部, 助教 (30569794)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 成人先天性心疾患患者 / 睡眠 / 睡眠の質 / 自律神経 / 唾液ホルモン |
研究実績の概要 |
本研究は、近年増加の一途をたどる成人先天性心疾患患者の睡眠に着目し、「睡眠」と「ストレス反応や自律神経」を長期に測定し、その実態をもとに、「睡眠の状況が改善できるようなケア」を取り入れ、効果を評価し、成人先天性心疾患患者の睡眠の改善プログラムを開発することである。 2019年度は、先行研究の検討、主観的および客観的指標の検討、研究立案および倫理審査の申請、対象者の協力依頼のための協力機関の検討と調整を行った。 成人先天性心疾患患者の日常受けているストレス反応と、睡眠時および活動時における自律神経の測定を行い、睡眠の実態を捉えるために以下の指標について検討した。 主観的指標として、ピッツバーグ睡眠質問票日本版(Japanese version of PSQI:PSQI-J)、睡眠日誌、不安、抑うつに関する質問紙としてはCES-D (the Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)、SF-12v2{健康関連QOL(HRQOL: Health Related Quality of Life)}尺度を使用することにした。客観的指標として、自律神経系の評価、ストレス指標として扱われる心拍変動(自律神経系活性)、日中の活動量が睡眠に影響することを考慮し、活動量と睡眠・覚醒パターン、唾液中のホルモンとした。睡眠・覚醒パターンには、活動計を用いる。また、唾液中のホルモンは、身体的ストレス反応を示す特性があるとされるクロモグラニンA、心理的ストレス反応を示す特性があるとされるコルチゾールを評価指標とすることにした。調査票の内容、心拍変動および活動計等の測定機器は、研究目的に合い、かつ対象者の負担を考慮し、先行研究の内容と検討しながら決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
睡眠の質向上を目指し、まずは睡眠の実態を把握するために評価指標について検討した。研究目的に適した、かつ対象者に負担が少ない測定器具を決めるにあたり時間を要した。また、計画していた対象者の確保が難しく、対象者の協力依頼のための協力機関の検討と調整に時間を要した。年度末には新型コロナウイルス感染症の影響を受け、対象者に対して説明と協力依頼する機会の確保が困難で時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き新型コロナウイルス感染症による影響が考えられるため、感染拡大に配慮しながら、対象者確保に努める必要がある。また、測定における感染拡大予防のための留意事項を踏まえ、睡眠の実態調査を行う必要がある。睡眠の実態調査後は、睡眠を改善するための介入を行うため、引き続き先行研究の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
目的に合う、かつ比較的対象者の負担にならない測定機器を検討し決定するまでに時間を要してしまい、購入までに至らなかった。次年度は、必要台数の測定機器および備品を購入し、研究対象者の謝金等に使用する。
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