本研究の目的は、化学療法を受けているがん患者に対してマインドフルネス呼吸法(以下、呼吸法)の介入を行い、睡眠の質の変化を検討することである。また、呼吸法の継続日数やその習得過程を評価することにより、外来化学療法を受けている患者の睡眠のセルフケア方法としての実行可能性を検討することである。 2021年度は2施設に協力していただき、3名の研究参加者を得ることができた。新型コロナウイルス感染症拡大のため、研究参加者とは対面しない方法(電話やオンライン)に変更し、感染対策を行いながら呼吸法の指導を行った。その他は計画通り、活動量計を用いて呼吸法実施前後の睡眠状況を計測し、客観的な睡眠評価を行った。また、研究参加者には呼吸法実施前後に睡眠に関する調査票(PSQI)に回答していただき、主観的な睡眠評価を行った。プログラム終了時には、呼吸法を継続するにあたり困難であったことや役立ったこと等を回答していただいた。 研究参加者は21日間継続して、呼吸法に取り組むことができていた。呼吸法の実施前後の睡眠の質の変化や、マインドフルネス呼吸法が睡眠のセルフケア方法として、患者が取り組むことができるか否か、その実行可能性については現在分析中である。 2021年度は2020年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく研究協力施設を得ることが難しかったため、今後も引き続き研究協力依頼を行い、データ収集を継続する予定である。
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