研究課題/領域番号 |
19K19570
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
松谷 ひろみ 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (10642655)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精神障がい者 / エンパワメント / 就労支援 / 農作業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、精神障がい者の就労において増加傾向にある「農福連携」の医療分野との連携・介入の現状を調査するとともに、看護職者が医療的な視点で 参入する農福“医”連携モデル(案)の構築ならびに効果の検証を行うことである。 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い遅延していた、就労継続支援B型事業所のスタッフが感じる支援上の困難と医療的な知識や関わりが必要と感じた場面、医療との連携・介入状況などについてインタビュー調査を継続して実施した。9名のインタビューが終了し、精神障がい者における農福連携において、どのような場面で医療的な知識や関わりが必要であると感じているのかを明らかにするため、M-GTAの手法を用いてデータ分析をすすめている。就労継続支援B型事業所のスタッフは、精神障がいをもつ利用者との信頼関係の形成を基盤とし、就労の力を高める支援、生活基盤を整える支援を、機をつかみながら行っていた。感覚的な解釈が多くなっている精神障害の理解や手に負えないと感じてしまう場面に関して、医療者の介入できる機会があると可能性を見出しつつある。引き続き概念を抽出し、農福“医”連携モデル(案)の検討・構築につなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い遅延していた、就労継続支援B型事業所のスタッフへのインタビュー調査を実施し、そのデータの分析を進めている。令和4年度まで補助事業期間を1年延長申請し、当初令和3年度に実施する予定であった各専門職者での農福“医”連携モデル(案)の検討・構築に取り掛かる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、就労継続支援B型事業所のスタッフが感じる支援上の困難と医療的な知識や関わりが必要と感じた場面、医療との連携・介入状況などについて9名にインタ ビュー調査を実施した。得られた質的データについてM-GTAの手法を用いて分析を進める。そしてオンライン会議なども有効に用いながら、各専門職者での農福“医”連携モデル(案)の検討・構築を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症拡大に伴い、令和2年度、3年度に実施予定であった研究実施にやや遅れが出ており、令和4年度まで補助事業期間を1年延長申請している。令和4年度は速やかに研究計画に沿って計画を遂行する。インタビューデータのテープ起こし、研究協力機関までの旅費、謝金、学会参加費を中心に研究費を使用する予定である。
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