研究課題/領域番号 |
19K19581
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
藤浪 千種 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (30455026)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 尿失禁 / 前立腺全摘除術 / 看護介入プログラム |
研究実績の概要 |
2022年度も、2021年度に続き「前立腺全摘所術後患者のための尿失禁回復支援プログラム:第2案」(以下、プログラム第2案)の作成過程で見出された課題の一つである「尿失禁のタイプをアセスメントするための判断基準」に関する検討を行った。 検討は、文献と専門家会議で行う予定であったが、COVID-19感染拡大の影響を受け文献の検討のみで進めることとなった。検討の結果、尿失禁タイプをアセスメントするためには、尿閉・排尿困難・尿失禁の有無、尿道カテーテル抜去後の排尿回数、1日尿量(排尿量+尿もれ)、残尿、平均1回排尿量、排尿間隔、排尿に伴う症状、行動、経口飲水量などの情報が必要であること、これら情報は患者の排尿日誌に記録できる内容であることが示唆された。そのため、患者が記載しやすく医療者が尿失禁のタイプをアセスメントすることのできるプログラム用の排尿日誌の開発を2023年度にすすめていく。この他、多くの医療者が尿失禁タイプを正しくアセスメントするためには一定の研修(情報をアセスメントする訓練)が必要であることも示唆されたため、アセスメント行う医療者用のマニュアルを作成し、教育プログラムを設けることも検討したい。 なお今回の検討結果は、プログラム第2案の作成過程で見出された他の課題「患者がセルフマネジメントを継続するための仕組み」にも寄与できる可能性があり、患者の使いやすさ、理解しやすさなども視野にいれ検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度~専門家会議が実施できず、文献を中心とした検討が続いている。また、COVID-19感染拡大下の中で見通しが立たないことから2022年度は新たにデルファイ法を用いた調査を計画したが、こちらも同様の理由で実施できていない。さらに、この2年間で研究協力者のi異動や転勤などがあり、研究体制も大きく変化しており、協力者を募る事から始めなければならない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度になり、臨床での研究実施の可能性が高まったことから、研究協力者と連携を図りながら専門家会議や調査が進められる体制を整える。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、予定していた専門家会議とその結果に基づくデルファイ法を用いた調査が実施できなかった。また、COVID-19による影響で研究活動にかけるエフォートが縮小され、これら理由により残金が生じた。残金は、2023年度の計画であるプログラム専用の排尿日誌の作成に向けた専門家会議や調査、医療者が患者の排尿障害のタイプをアセスメントするのための教育教材の作成に使用する計画である。
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