研究課題/領域番号 |
19K19590
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
大串 晃弘 四国大学, 看護学部, 講師 (80788878)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 急性冠症候群 / 患者教育 / 救急医療 / 早期受診 / 受療行動 |
研究実績の概要 |
2019年度は特に国内の動向を把握するために、国内外の文献検討を行った。国外では急性冠症候群の早期受診を目的とした介入研究が行われており、エビデンスが蓄積されつつあった。一方で、国内に焦点を当てた文献はほとんど見当たらず、介入研究を行うまでの研究が十分されていないという結果であった。また、日本科学学会や日本循環器看護学会、日本看護教育学会などに参加し、循環器や教育の専門家と意見交換を行うことで、早期受診に関する様々な知見を得ることができた。 これらの状況を踏まえ、2020年度は心筋梗塞を発症した患者に対して受診までの行動に関するインタビュー調査を行った。心筋梗塞の患者は、入院日の数週間前、あるいは数か月前から健康の不調がみられていたが、心筋梗塞の前兆としての認識は薄かった。また、医療機関の受診を検討した際には、適切な行動をとることができていない患者が多いという現状が明らかとなった。新型コロナウイルスの影響でインタビュー調査時の感染対策が必要となったため、研究開始が遅れたが、順調にインタビュー調査を行っている。データ収集は継続中であり、得られた知見は2021年度に関連する学会等での報告を予定している。また、心筋梗塞で入院する患者の臨床データを用いて、発症から医療機関の受診が遅れる要因について解析を行い論文化を進めている。日本循環器看護学会のシンポジウムで発表を行った内容が、「急性冠症候群発症における迅速なFirst Medical Contactを促す患者教育プログラムの構築を目指して」というタイトルで日本循環器看護学会誌に掲載された。2021年度は、インタビュー調査の内容と臨床データの解析結果を基に、循環器や教育の専門家らと意見交換を行い教育プログラムの構築を目指していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスへの感染対策が必要となったことから、インタビュー調査の開始時期が遅れた。また、研究対象施設である医療機関の研究協力者の業務量を考慮し、本務に支障が出ない範囲で研究を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は教育プログラムの構築を目指している。インタビュー調査や文献検討等で得た知見を基に、循環器や教育の専門家の意見を聞きながら進めていく。また、並行して心筋梗塞患者の受診に影響を及ぼす要因を明らかにするための研究を新たに開始していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で学会参加などの旅費が不要となったため、当初の計画より研究費が残る結果となった。次年度も旅費等の支出は少ないと予測されるため、新たな研究としてアンケート調査を開始するための費用として用いる。
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