研究課題/領域番号 |
19K19600
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
澤渡 浩之 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (30757034)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 睡眠呼吸障害 / 心不全 |
研究実績の概要 |
超高齢社会の進展に伴い我が国では慢性心不全患者が急激に増加している。一般的に、慢性心不全患者は、心不全急性増悪に伴う入院イベントを繰り返すことで徐々に心機能が低下し、様々な生活上の制限を受け身体的・精神的健康が徐々に低下していく。一方、多くの先行研究にて慢性心不全患者において、睡眠呼吸障害が頻繁にみられることが報告されている。そのため、慢性心不全患者における睡眠呼吸障害の管理や看護ケアは重要な意味を持つ。しかしながら、現在、睡眠呼吸障害を有する慢性心不全における有用な看護ケアは確立されていない。特に、心機能が保たれた心不全患者においては、睡眠呼吸障害に対する看護ケアは、未だ不明な部分が多く検討する余地がある。更に、今後本邦において、高齢化が進むことにより心機能が保たれた心不全患者が急増することが予測されている。以上のことから、本研究においても、心機能が保たれた心不全患者において、睡眠呼吸障害による生活の質(Quality of life; QOL)への悪影響を検討した。本年度で、当初予定していた心不全患者数に達し、解析を行った。結果としては、心機能が保たれた心不全患者において、睡眠呼吸障害によるQOL悪化に影響する要因は、1時間当たりの無呼吸や低呼吸の回数を示す無呼吸低呼吸指数(Apnea hypopnea index; AHI)ではないことが明らかになった。一方、睡眠呼吸障害による低酸素血症の重症度を示す最低SpO2は、精神的なQOLに関連していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標患者数に達し、有意な結果が得られたため。また、最終的な論文投稿の段階にさしかかっているため
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今後の研究の推進方策 |
今後は、明らかになった内容を学会及び論文にて公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の流行により、病院内でのデータ収集が出来ない時期があったため、全体の研究スケジュールが遅れ、次年度も引き続き実施が必要となったため。次年度は、学会発表および論文投稿(追加解析も含む)に伴う経費として用いる予定とする
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