研究課題/領域番号 |
19K19608
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
高比良 祥子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (40326484)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肝疾患 / 外来 / 看護師 / 療養支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、看護師が外来で行う肝疾患患者への療養支援の内容を明らかにすること、および療養支援の実施に影響を及ぼす構造を分析し、肝疾患患者に対する外来看護モデルを構築することである。2022年度は、外来化学療法室における肝がん患者への支援に関する調査を行った。参加者は、がん診療連携拠点病院等で1年以上外来化学療養室に勤務し肝がん患者への看護経験のある看護師とした。全国のがん診療連携拠点病院等の看護管理責任者宛に研究計画書と調査依頼書を送付し、承諾の得られた施設の看護管理責任者より研究参加者11名の紹介を受けた。データ収集方法は、Web Meetingシステムを利用した面接を実施した。データの分析には質的統合法(KJ法)を用いた。今回は、参加者A氏の個別分析結果を報告する。A氏は40歳代女性、看護師経験年数22年、外来化学療法室勤務は1年4か月、がん化学療法看護認定看護師の資格を有していた。個別分析の結果、A氏の元ラベルは157枚であり、7段階のグループ編成を経て、7枚の最終ラベルの関係性に基づいて空間配置した。シンボルマークは【血管確保の確実性の保証:穿刺の上手さと血管耐久性の査定】【信頼しあえる診療の保証:患者の努力やつらさを医師へつなぐ役割】【患者の治療理解の促進:内容を選別した教育支援】【病院全体での重症化対策:多職種チーム連携と看護の丁寧さ】【患者の初期発信力の強化:症状の落とし込み】【初発症状の受信力の強化:経験を積み上げた指標による把握】【厳しい制限の先:緩和ケアの余地がない厳しさ】であった。今後は全ての参加者の個別分析後に総合分析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者のその他の業務の多忙および新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により研究遂行に想定以上に時間を要したため、補助事業期間の延長の申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果にもとづき、日本肝臓学会肝臓専門医が所属し肝疾患の専門治療を行う施設を対象として肝疾患患者に対する外来看護モデルの構築に向けた調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、学術集会がオンライン開催となり旅費の支出がなかった。また、質的統合法(KJ法)のスーパーバイズも、対面指導からオンライン指導へと変更し、旅費が不要であった。
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