本研究ではCa拮抗薬のベラパミルを用い、粉砕法と簡易懸濁法で薬物動態を健康成人において評価した。簡易懸濁法群、粉砕法群では錠剤服用群と比較しAUC0-24、Cmaxが増大しており、特に粉砕法では有意に高くなった。投与前に医薬品を加工することによって、溶解速度と放出速度が変化したことに起因すると考えられる。粉砕法や簡易懸濁法は摂食嚥下困難を有する患者や経管栄養中の患者にとって、内服を容易かつ安全に行う方法であるが、製薬企業が提供する医薬品を加工することにより、意図しない副作用の発現やその増大が認められる可能性があり、投与前の医薬品の加工は避けるべきである。
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