研究課題
若手研究
本研究の目的は、精神疾患により入退院を繰り返す方が地域生活を継続する上で、病との付き合い方や生活における工夫を分析することで、対象者が地域生活を継続する要因を探ることである。当事者にインタビューを実施した結果、入退院を繰り返すたびに、症状や治療と向き合い症状の対処を模索していた。医療者との関係性を築きつつ、治療や症状との付き合い方を自己決定していた。また、地域生活を続ける中で、自身の興味を広げることや他者との相互作用の中で、病以外に関心を広げていたことが示唆された。
精神看護学
我が国における精神科医療は、入院治療から地域生活への移行を推進している。入院患者のうち約9割が1年以内に退院しているが、その一方で症状の再燃による再入院が課題となっている。本研究の対象者は、過去に入退院を繰り返しており、現在は1年以上地域生活を継続している者とした。よって、地域生活を継続するために当事者が構築してきた病との付き合い方や生活における工夫が明らかになり、再入院を予防する上での一助になると考えられる。