研究課題/領域番号 |
19K19624
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
趙 崇来 佛教大学, 保健医療技術学部, 講師 (70758292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心不全 / Advance care planning / 高齢者 / 緩和ケア / End of Life |
研究実績の概要 |
今年度は、研究計画の核となるAdvance care planning(ACP)のビデオ作製に着手した。内容については研究フィールドとなる予定の病院の医師と慢性心不全の認定看護師、研究協力者と何度も吟味した。特に、対象者となる心不全患者は多くが高齢者である点、Advance care planningは日本ではまだまだ馴染みがなく、心理的抵抗を与えないように配慮する点、家族の意思を尊重する文化的背景を踏まえたACPの進め方を説明する点など、心不全患者の特性を考慮した内容とした。具体的には高齢者の特性を考え、イメージ化を図るためにイラストと字幕をつけ、ナレーションもゆっくりとした口調で作成した。内容としては、導入部分で心不全で入院となった事例を展開することで、自分事として捉えられるように工夫し、その後心不全の病態についての説明に加え、ACPの重要性と進め方について説明を行い、全編約12分と集中が持続できる時間を意識した構成となっている。 また、実際に研究を実施する上で、データ収集に関わるタイミングや職種、関係部署の確認を行い、研究実施を主に担当する臨床の看護師に対する研究内容の説明資料を作成した。 研究を実施する上で、新たなACP関連の論文を確認し、自身の研究上の理論的基盤とアウトカムの妥当性を再度検証した。 米国の研究者(看護教員)とオンラインで月に1度研究ミーティングを開き、米国でのACPの現状や自身の研究上の序論、対象、デザイン、研究方法についてディスカッションし、研究の洗練化に努めた。 次年度は倫理審査の承認を得て、フィールドでの研究の説明を行い、実際にこのビデオツールを用いて研究実施の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ビデオツールの内容を何度も検討し、作成が遅れた点と、コロナ禍でなかなかフィールドとの調整がつかず、研究の実装準備が進まなかった現状がある。また、倫理審査に出す上で、自身の研究の理論的基盤とアウトカムの妥当性について関係者間で再度協議を行い、研究の洗練化を図るのに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、早急に倫理審査を通して、研究の実施につなげる。その中で、パイロットスタディから研究効果の傾向や、実際の運用上の修正点など確認しながら、本研究へと進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦で当初計画していた、国外の関連学会への渡航費、参加費が未使用となっていることが主な理由である。 次年度は研究実施において、関係各所での運営資金や研究対象者への謝金、関連学会への参加など必要な予算を計画的に運用する予定である。
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