研究課題/領域番号 |
19K19631
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
石川 美智 活水女子大学, 看護学部, 准教授 (40638706)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 延命治療 / 血液透析 / 開始見合わせ / 自己決定 |
研究実績の概要 |
研究3年目である本年度は、2次調査として看護師へのインタビューにより、次の2点について明らかにする予定であった。1点目は、延命治療としての血液透析の開始見合わせや中止を希望する患者・家族に対し、看護師がどのように患者・家族の意思決定支援をおこなっているのか、そのプロセスを明らかにする。2点目は、患者・家族の意思決定通り血液透析の開始見合わせや中止が実行された場合(あるいは実行されなかった場合)の帰結への関連要因を明らかにする予定であった。しかし、調査実施にあたり、倫理審査の承認を得るまでにかなり時間を要し、インタビュー調査に着手できなかった。2次調査は、最終年度である次年度実施予定とする。 研究初年度(2019年度)、日本透析医学会が認定する全国の認定・教育関連施設(1,070施設)に所属する看護師を対象とした1次調査の質問紙調査「血液透析の開始見合わせや中止の意思決定時における看護実践の実態調査」結果について、論文としてまとめ学会誌に投稿した。同調査の自由記述項目「血液透析の開始見合わせや中止時の看護実践を行ううえでの問題や課題」について、看護師318名より回答があった。この記述内容は、看護師が血液透析の開始見合わせや中止した経験に基づき認識した問題や課題であり、今後の延命治療に対する患者・家族の意思決定支援を行う上での看護への示唆を含む貴重なデータであると考えられた。この看護師の記述内容の分析も本年度終了させる予定であったが、分析途中である。次年度は、分析結果をまとめ、学会誌に投稿予定とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、2次調査として延命治療としての血液透析の開始見合わせや中止を希望する患者・家族に対し、看護師がどのように意思決定支援をおこなっているのか、インタビューによりそのプロセスを明らかにする予定であった。しかし、調査実施にあたり倫理審査申請を行ったが、承認を得るまでにかなり時間を要し、インタビュー調査に着手できなかった。 また、新型コロナウイルス感染拡大状況への対応(教育及び大学運営)で研究時間の確保ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
倫理審査承認後、1次調査(質問紙調査)で、研究協力に同意が得られた施設(284施設)に、2次調査の研究協力依頼を行う。新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、研究協力施設の選定、インタビュー調査方法を検討しながら研究を遂行する。 また、看護師が認識する「血液透析の開始見合わせや中止時の看護実践を行ううえでの問題や課題」の記述内容の分析結果をまとめ、1次調査と2次調査結果をふまえ、透析の開始見合わせや中止が困難な現状の問題点を明らかにする。そして、延命治療としての透析の開始見合わせや中止は適切な医療の選択肢の1つとしていくために、必要な看護は何かを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度実施予定としていたインタビュー調査に着手することができず、本年度の使用額が未使用であった。また、研究発表については、すべてWeb開催となり、旅費が未使用であった。 前年度と本年度使用予定であったインタビュー調査にかかる諸費用は、次年度調査予定であるため、前年度と本年度の繰越金を充当予定とする。
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