看護支援モデル作成のための知見の整理として、海外文献を含めた文献検討を行った。文献検討は、18トリソミーまたは13トリソミーの子どもを持つ親が、子どもについての意思決定を行う場面における、意思決定の内容やその際の体験について既存の研究を整理した。 親の意思決定について、内容やその体験を明らかにした文献は限られていた。意思決定として最も多く触れられている場面は、18トリソミーと13トリソミーを含むいくつかの染色体異常の可能性を検査できる無侵襲的出生前遺伝学的検査(新型出生前診断)に関連した意思決定の体験、そして診断後の妊娠継続に関する意思決定の体験であった。手術の意思決定や、End of Lifeにおける意思決定について、親の体験を記述した研究は見つからなかった。 親が経験する意思決定は、出生前診断を受ける時点で始まっており、その出生前診断についての情報量や内容によって親が感じるコントロール感や満足感は異なっていた。また、親が18トリソミー・13トリソミーの子どもを育てる体験として、病院という場所が子どものことを代弁できる適切な環境ではないと捉えており、子どもの意思決定にもっと参加したいと考え、決定した選択を尊重してくれる医療者を求めていた。 文献検討より、親への意思決定支援は、対象疾患の確定診断時のみではなく、無侵襲の出生前診断の検査結果後等、早期からの介入が必要であること、そして手術の意思決定や、End of Lifeにおける意思決定も包含した看護支援モデル作成が必要であることが示唆された。
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