研究課題/領域番号 |
19K19639
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
副島 尭史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00768989)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | がん経験者 / 就労の質 / 家族機能 |
研究実績の概要 |
1.実施概要:本研究は、1)がん経験者における就労の質 Quality of Working Life(QWL)の実態を明らかにする、2)QWL向上に対する介入のターゲットとして新たに家族機能へ着目し、QWLとの関連を明らかにする、3)がん経験者のQWL向上を目指した家族機能への介入方法を開発することを目的とする。令和1年度は、1)QWLおよびその関連要因である職場要因、治療による合併症、家族機能を測定できる尺度を追加の文献レビューを通して検討する、2)がん経験者をリクルートするフィールドとの調整および主任研究施設での倫理審査の手続きを行った 2.実施内容:QWLを測定できる尺度について、がん看護や産業保健の分野における論文を追加でレビューし、日本語版が使用できるものの中から、WHO Health and Work Performance Questionnaire(Miyaki et al. 2013)、新職業性ストレス簡易調査票の職務満足度に関する1項目(川上ら. 2012)、Utrecht Work Engagement Scale(Shimazu et al. 2008)、Survey Work-Home interaction NijmeGen(Shimada et al. 2018)を使用することを計画している。治療による合併症、家族機能を測定できる尺度については、Cutoff得点を利用できるCancer Fatigue Scale(Okuyama et al. 2000)、K6(Furukawa et al. 2008)、EORTC QLQ-C30 Cognitive Functioning Scale(Kobayashi et al. 1998)、Family Assessment Device(Saeki et al. 1997)を使用することを計画している。また、様々ながんの診断を受けた経験者を研究参加者とする上で、医療機関からのリクルートでは研究参加者のがん種に偏りが生じる可能性があるため、調査会社からの募集に変更し、それに伴い倫理審査の手続きにおいて修正を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の令和1年度の計画では、フィールド調査を開始する予定であった様々ながんの診断を受けた経験者を研究参加者とする上で、医療機関からのリクルートでは研究参加者のがん種に偏りが生じる可能性があるため、調査会社からの募集に変更し、それに伴い倫理審査の手続きにおいて修正を行う必要があった。よって、当初の計画よりやや遅れていると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年4月より、調査会社との検討を進めながら、様々ながんの診断を受けた経験者に対するリクルート戦略の構築、フィールド調査の実施を予定している。本調査の終了時期は、令和2年12月を予定している。フィールド調査終了後は、統計解析ソフト(SPSS、R、AMOS)を用いて、がん経験者の就労の質に対する治療による合併症、職場要因、家族機能の関連を検討し、その結果を専門誌での論文掲載および学会発表により成果発表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
前期:医療機関から調査会社での対象者の募集に変更したため、対象者への謝礼などが残額として残った。令和2年4月からフィールド調査が開始する予定であるため、それに伴う対象者への謝礼、研究補助員の給与が必要である。後期:引き続きフィールド調査を実施し、その終了後(令和2年12月予定)は、データ入力・統計解析をする予定である。また調査結果は専門誌への投稿を予定している。そのため、専門誌への投稿に伴う英文校正費が必要になる。また、国際学会での最新情報を学ぶために、旅費等が必要になる。
|