研究実績の概要 |
本研究は原爆障害調査委員会(ABCC)が実施した遺伝学調査におけるABCCと助産婦の連携の実際、妊産褥婦と新生児およびその家族に対する活動の実際を明らかにすることを目的とする。令和3年度は、Archives & Rare Book Collections for The TMC Library, McGovern Historical Centerにて資料収集を行い、以下の成果が得られた。 1)遺伝学調査に協力した助産婦に関する米国の史料調査について 米国にいる資料収集に関する協力者の協力を経て、Archives & Rare Book Collections for The TMC Library, McGovern Historical Centerに所蔵されている遺伝学調査に協力した助産婦に関する史料の収集を行った。収集した史料はABCCの遺伝学調査を計画したJames V. Neelの史料が5,681枚、1949(昭和24)年から遺伝学調査にかかわったWilliam J. Schull の史料を1,228枚、計6,909枚収集した。 2)ABCC遺伝部と助産婦の遺伝学調査における連携の実際 本年は、Archives & Rare Book Collections for The TMC Library, McGovern Historical Centerにて収集したWilliam J. Schull の史料から遺伝学調査に協力した助産婦に関する史料を抽出し、分析を行った。結果、1951(昭和26)年2月~1953(昭和28)年12月までのABCC遺伝部と日本の助産婦の遺伝学調査に関する会議の議事録を発見した。この議事録からABCCと助産婦が遺伝学調査を行うにあたり行った議論の詳細が明らかとなった。今回明らかになった分析結果は関連学会誌に投稿する予定である。
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