研究課題/領域番号 |
19K19651
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
新道 由記子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 准教授 (90321306)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 家庭訪問サービス / 助産師の専門性 / 訪問時アセスメント / フィードバック / ケースマネジメント |
研究実績の概要 |
令和元年度は、「家庭訪問サービス」および助産師業務に関する文献検討を行った。 日本において助産師は、母子保健法に規定される新生児訪問事業から貢献しているが、子育て家庭への訪問サービスは児童福祉法による乳児家庭全戸訪問事業からが本格的な始動といえる。そこで、国立情報学研究所論文情報ナビゲータ(CiNii)を用いて、乳児家庭全戸訪問事業の前身である「生後4か月までの全戸訪問事業」が開始された2007年度を起点に2007年1月から2019年12月末までの文献を対象に検索をすることにした。検索キーワードを<家庭訪問><助産師>、<家庭訪問><新生児>、<家庭訪問><乳児>、<家庭訪問><子育て>、<家庭訪問><赤ちゃん>、<家庭訪問スキル>とし、各々23件、20件、15件、43件、4件、1件が抽出され、重複している文献および抄録のみの文献を除き79件について各種事業実施における留意点や、事例の紹介、調査研究等から訪問者の専門性を踏まえて知見を整理した。 その結果、助産師の家庭訪問においては、業務委託をされた単発での訪問が多く、健康診査をしながら母子の健康と子育て環境に関するアセスメントをして、マネジメントをすることが特徴であることを見出した。また、健康診査結果をフィードバックする際に、哺乳や清潔ケア等に関する育児技術についての困りごとを引き出し、助言や肯定的な応答をしており、母親の精神的支援につながっていることも特徴であることを見出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は第一段階として「家庭訪問サービスに関する文献研究」を計画していた。実際には、看護学および社会福祉学領域における文献検討から、家庭訪問サービスの訪問者の専門性を踏まえて知見を整理することができ、助産師の家庭訪問の特徴を見出すことにつながった。 したがって、文献検討結果から明らかになった助産師の家庭訪問の特徴を生かして、第二段階としての実態調査につなげることが可能と考える。
|
今後の研究の推進方策 |
第2段階としては、都道府県助産師会を対象とした全数調査による質問紙調査で「新生児訪問および乳児家庭全戸訪問事業に関する実態調査」の実施を計画している。 その結果を用いて、乳児家庭全戸訪問事業を都道府県助産師会として業務委託をされている都道府県助産師会を抽出し、訪問事業を担う助産師へのインタビュー調査協力を依頼したいと考えている。また、都道府県助産師会の訪問事業実務担当者に、訪問者に対する現状認識と期待についてもインタビュー調査項目を抽出し、インタビュー調査を行いたいと考えている。 そして、第3段階の訪問事業を担う助産師へのインタビュー調査とその結果から卓越したレベルの行動特性を抽出につなげたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
電子媒体での整理は進んだが、紙面資料の整理が進んでいない。そのため、次年度は紙面資料を整理するための文具等の物品を購入することを考えている。
|