研究課題/領域番号 |
19K19652
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
樺島 稔 城西国際大学, 看護学部, 助教 (10817662)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 夜泣き / グラウンデッドセオリー |
研究実績の概要 |
本申請は、これまで母親側の対処しか明らかにされていない夜泣きについて、母親だけの問題ではなく両親としてどのように対処したのかを明らかにし、効果的な保健指導へ繋げるための手掛かりを得ることを目的としている。本年度は6名のインタビューを終え以下の2点について調査を進めた。 1. 夜泣きを経験した両親が捉える夜泣きとは 先行研究より、夜泣きは「生後5~7か月の児において、夜間に1回以上、大人の生活を妨げる程度の泣きが1週間以上続くもの」と定義されていた。しかし6名のインタビューを終えた段階では「月齢5か月から7か月頃に始まり、2か月から4か月間続く、泣いている理由が分からず対処できない入眠後の泣き」であることが分かった。これは、新生児期の泣きはサーカディアンリズムが未確立なことからくる啼泣であり、夜にまとまって寝始める5か月頃から始まる泣きを夜泣きと捉えていたためであった。また、夜泣きが始まる前は児が泣いている理由が分かり、その原因に沿った正しい対処で泣き止ませ児をコントロールできていたが、これまでの対処が通用せず、コントロールできる範囲を超えた時に夜泣きと捉えることが分かった。 2. 夜泣きに対して両親が行う対処のプロセス 先行研究より、夜泣きの対処として「母親が児の身体を引き寄せ密着して抱く」「母親の胸に児の顔を埋めるように抱く」「授乳する」「背中を優しく叩く」が明らかになっていた。しかしこれらは母親のみが行う対処であり、兄弟の有無や夜泣きの状況によっては実施できないものであった。申請者の調査では、当初母親が一人で試行錯誤する時期があるもののやがて限界を迎え、父親へクレームとして直接サポートを依頼することで試行錯誤から抜け出し、両親が協働する時期がくることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は6名に対しインタビューを実施することができた。しかし、これまでインタビューを実施できたのは母親のみであり父親に対しては実施できていない。また、2020年1月からはコロナウイルス流行の影響でインタビューを実施することが難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は父親が夜泣きをどう捉えたかという夜泣きの定義と、対処のプロセスについて父親自身がどう考え行動に移したのかを明らかにしたいと考える。また、インタビューの実施方法について対面式ではなくテレビ会議システム(zoomやwebexなど)を用いて実施できるよう研究計画を修正したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度は計画段階で想定していた対象者の人数が集まらず、その結果得られたデータも少なかったため、分析用のPCを1台購入したのみであった。また、インタビュー等も学内で行えたため会議室の利用はなかった。 今年度は前年度行えなかった対象者へのインタビューと謝礼の支払い、資料を郵送するための封筒やA3用紙への印刷など今年度の研究課題遂行に必要となるA3サイズで印刷可能なプリンターの購入、テレビ会議用の環境整備のためのデバイス等の購入、インタビューの文字起こしにかかる費用として使用する予定である。
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