研究課題/領域番号 |
19K19653
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
下田 佳奈 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70803774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Disrespect and Abuse / Quality of care / 施設分娩 / タンザニア |
研究実績の概要 |
発展途上国での施設内分娩では、産婦の人権を無視するようなケアが蔓延していることから、女性が医療者に対して不信感を抱くことが多く、医療へのアクセスが停滞している。このような医療者の行為は、『軽蔑と虐待(Disrespect & Abuse:D&A) 』と呼ばれ、その実態を報告する研究が近年急増している。 本研究では、タンザニアにおけるD&A削減のための「女性を尊重するケア」教育プログラムを開発し、その効果と実行可能性を検証する。 初年度は、これまでの研究の中で実施した①プログラムのパイロット調査について国際学会にて発表、②プログラム評価測定用具の修正、③プログラム開発の実行可能性について専門家との協議を実施した。 ①のプログラムは、タンザニアの助産師・助産学生に向けて1)D&Aの実態および「女性を尊重するケア」の概念を伝える、2)ロールプレイ法を用いた行動変容についての考察を含めた内容であった。国際助産師連盟アフリカ部会においてアフリカの助産師に広く公表を行った。②については、それらのプログラム効果を測定するために尺度開発を実施している最中である。より汎用性の高い測定用具とするため、分析と改良を重ねている。同時に現在は③についても実施しており、タンザニアの臨床現場および教育現場に即した内容とするため、適切な教育介入方法についてタンザニア研究者とともに検討している最中である。また、それらの介入対象となる病院施設および教育機関についての検討も実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度として、前段階で実施した研究結果を公表することができ、またプログラム開発に向けた具体的な内容の検討に移行することができており、交付申請書に記載した研究の目的および平成31年度の実施計画をおおむね達成できていると評価できるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中の教育介入方法の内容について、今後タンザニアに適した教材の開発・教授方法および対象者等を具体化していき、予備研究の実施を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育プログラム開発に必要な物品(コンピューター・データ保存機器、教材作成用のカメラとビデオカメラ等)において、現在は教育開発の途中であるため、初年度での購入は見送り、内容が具体化してからの購入を検討することとした。次年度、それらが具体化した後、物品の購入および教材のスワヒリ語への翻訳のための謝金・人件費に充てる。
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